研究課題/領域番号 |
17017039
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
宮脇 敦史 理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, チームリーダー (80251445)
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研究分担者 |
水野 秀昭 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 専門職研究員 (80301779)
下薗 哲 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (40391982)
深野 天 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 研究員 (80373364)
筒井 秀和 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能探索技術開発チーム, 客員研究員 (30392038)
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キーワード | 蛍光タンパク質 / 細胞周期 / バイオイメージング |
研究概要 |
細胞周期をリアルタイムにモニタする蛍光プローブを蛍光タンパク質をもとに開発した。このプローブはユビキチンープロテアソーム系によるタンパク質分解をベースに作製されており、これまでの蛍光プローブ作成のノウハウと一線を画している。このプローブを導入すると、分裂後からDNA複製前の時期にある、いわゆるG1期の細胞の核は赤色の蛍光を発し、DNA複製から分裂前の時期にある、いわゆるS/G2/M期の細胞の核は緑色の蛍光を発するようになる。この技術を利用して、マウスに移植されたがん細胞の浸潤・転移や、マウスの胚で起こる神経細胞の分化、移動などにおける細胞周期進行の時空間パターンを観察することに成功した。当研究における意義として、個体発生や、細胞内諸現象の細胞周期依存性を改めて認識できたことが挙げられる。浸潤・転移の実験からは、転移先の血管内に留まり、生存し続ける能力をもっているのはG1期にある細胞である事が明らかになったのも重要な成果である。また、細胞周期プローブを恒常的に発現する培養細胞を用いて、低分子量Gタンパク質の活性化などが細胞周期に依存して制御されていることも証明した。光で操作する技術と組み合わせて、生体分子の移動現象などについても細胞周期情報を盛り込む必要がある。 サンゴ由来の蛍光タンパク質を細胞質内に発現させる際に観られるドット状の蛍光シグナルが、オートファジーによって運ばれリソゾームに蓄積した蛍光タンパク質によるものであることを明らかにした。サンゴ由来の蛍光タンパク質が酸性下でプロテアーゼに耐性を示すことが原因であることを突き止めた。蛍光タンパク質技術を見直すきっかけを提供する研究成果と考えられる。
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