研究課題
細胞内のシグナル伝達のパスウェイは、多くのシグナリング分子は互いに相互作用し、複合体を形成しパスウェイを生み出す。独自に開発した、超高感度タンデム質量分析(MS/MS)システム用い、神経細胞でのカルシウムシグナルに関わる新規なパスウェイの解析を行った。具体的にはカルモジュリン依存的キナーゼであるCaMKのサブファミリー全てを用い網羅的なネットワーク解析を行った。CaMKはI・II・IV・KKというサブタイプが知られている。またCaMKIとIIにはabgdという4つのアイソフォームが、CaMKKにはabという二つのアイソフォームが存在する。従ってこれら11分子全てをbaitとして用いた。またwild typeのみならずconstitutively activeとkinase deadである変異体も用いた。また、細胞はHBK293細胞の他にCortical NeuronとHippocampal Neuronのラット初代細胞も用いた。その結果、CaMKと相互作用する186個の新規な分子を発見し、そこから8つの新たなCaMK機能複合体を発見した。また基質候補の絞り込みのために、生化学的な手法によるリン酸化部位決定とともに、やはり質量分析によるリン酸化タンパク質の解析を試みた。具体的には、細胞にカルシウム刺激、あるいはconstitutively activeなCaMKを発現させた細胞のリン酸化タンパク質を網羅的に定量しリン酸化が上昇したタンパク質群とネットワーク解析によって検出された新規相互作用分子との比較を行った。その結果、1分子についてはCaMK Iの新規な基質であることが確認された。この分子をbaitとしてさらに「芋づる式」パスウェイの探索を行ったところ、Erkのパスウェイの上流に収束することを発見した(現在論文投稿準備中)。
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