研究課題
1.BACライブラリーの作成新潟大学で性転換により作成したXX雄と正常な雌を交配させX染色体のみをもつ稚魚を多数作成した。またこのようして作成したXX胚から培養細胞系を樹立した。これらをもちいて支援班の協力の下にX染色体のみを含むルソンメダカBACライブラリーの作成をおこなった。これらのクローンは現在132枚の384穴プレートに整列化され、東京大学及び新潟大学で保存されている。このうち384穴プレート96枚分のクローン(ゲノムカバー率で約5X相当)をもちいてPCRスクリーニング用の3次元PCRスーパープールの作成をおこなった。またルソンメダカX染色体とY染色体を比較するために性転換XY雌と正常雄(XY)を交配してYY個体を作成し、Y染色体のみをもつYY雄1個体からfosmidライブラリーの構築もおこなった(クローン数の推定ではゲノム10X相当)。2.ルソンメダカ及びハブスメダカ性決定領域の詳細な遺伝子地図作成ルソンメダカ性染色体地図の作成ではメダカでLG12上にマッピングされたESTマーカーをもちいてルソンメダカの詳細な性染色体地図を作成した。その結果ルソンメダカの性決定遺伝子はメダカゲノム上で換算すると約750kbpの範囲に存在することが明らかとなった。作成した3次元PCRスーパープールをもちいて当該領域のBACクローンのスクリーニングをおこなっている。3.他の近縁種における形決定機構の解明他の近縁種における性決定領域に関する研究ではインドメダカでの性決定領域が明らかとなった。インドメダカは他の単腕型染色体グループ(ジャワメダカ、ハブスメダカ)とは異なり、驚くことにXX-XY型の性決定機構を持っていた。またその性染色体はメダカのLG10とほぼ全染色体にわたって相同であった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Gene 363
ページ: 24-31
Molecular Phylogenetics and Evolution 36.
ページ: 417-428