研究課題/領域番号 |
17018016
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀 寛 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60116663)
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研究分担者 |
三谷 啓志 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70181922)
清水 厚志 慶応大学, 医学部, 助教 (30327655)
金森 章 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (40324389)
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キーワード | メダカ / ゲノム / 染色体再編 / 比較ゲノム / BACライブラリー |
研究概要 |
この研究課題では、先の特定研究(ゲノムC)で明らかにされたメダカWGS (whole genome shotgun sequencing)による全ゲノム概要配列の情報を有効利用し、それを基盤にして、魚類を中心にした脊椎動物染色体再編の比較ゲノム解析を行うこと、さらにメダカが脊椎動物のモテル動物の一つとして、マウス同様にヒトの遺伝病のモデルとなりうることを多くのメダカ突然変異体を解析することで証明することが目的である。 本年度においては、昨年度の延長の計画として,性分化に関与する遺伝子の同定とその発現を性分化発生過程で追った。とりわけメダカ生殖腺の初期発生で最も早く発現される転写因子の一つであるfig-alphaに注目した。このfig-alphaが卵細胞成熟に必須のzpc4やzpbの発現を支配している事や、減数分裂を支配する遺伝子scp3の発現と同調していることを明らかにした。さらにfig-alpha遺伝子の発現を支配しているシス配列部分を同定する目的で、代表的な脊椎動物のゲノム比較を行った。フグ、カエル、マウス、ヒトではfig-alpha翻訳領域は保存されているが、保存度の高いシス配列は検出されなかった。配列の相似度はなかったが、この遺伝子のフグfig-alphaの5'領域をもつGFPでその活性をしらべた結果、メダカ卵内でもフグ配列は正常に機能することが判明し、配列の不相似性によらない転写活性領域の共通性が示唆された。 また、メダカ多発性嚢胞腎の変異株pcの責任遺伝子がGli-Similar3 (glis3)であることを橋本との共同研究であきらかにした。これはヒトの多発性嚢胞腎疾患の原因遺伝子の一つであった。
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