研究概要 |
植物の諸機能(光合成環境応答/生殖/形態形成/二次代謝)の進化と多様性を理解する為に本研究では、緑藻クラミドモナス(遺伝学が可能な単細胞真核光合成生物)・苔類ゼニゴケ(性染色体をもつ最初の陸上植物)・蘇類ヒメツリガネゴケ(植物で最も遺伝子ターゲティングが容易)について,完全長cDNA(発現領域情報)とゲノム情報を収集した。クラミドモナスでは、米国JGIが取得した12倍分のゲノム配列(1557 Scafford)について、日米欧共同でアノテーション作業を開始し15,256遺伝子候補を推定した。また,強光に対する遺伝子発現プロファイルを、シアノバクテリアとシロイヌナズナのトランスクリプトームとの比較から光応答性遺伝子の多様性を明らかにした。さらに松の実の油脂主成分でもあるピノレン酸の合成に関わるω13不飽和化酵素遺伝子を発見し、さらにタバコで発現させると葉でピノレン酸が蓄積することを証明した。ゼニゴケY染色体の配列を、ヒト・緑藻・アラビドプシスと比較し,精子の鞭毛タンパク質遺伝子や精子形成に必要とされる遺伝子を見出した。 一方、ヒメツリガネゴケについては、日米英独共同でゲノムコンソーシアムを結成し、8倍分のゲノム情報を米国JGIと共同で得た。各種の成長過程の細胞から完全長cDNAライブラリー、5'SAGEライブラリーを作製し、その大量シーケンス解析を行った。さらにゲノムライブラリー作製のためのミニプロトプラス
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