研究課題/領域番号 |
17018026
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
久原 哲 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (00153320)
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研究分担者 |
内山 郁夫 自然科学研究機構岡崎共通研究施設, 計算科学研究センター, 助教 (90243089)
黒川 顕 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20343246)
平川 英樹 九州大学, 大学院・システム生命科学府, 特任助教 (80372746)
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キーワード | モデル化 / 遺伝子 / ゲノム / 進化 / 発現解析 |
研究概要 |
1) 配列データの整備: 機能カテゴリ分類の情報を、COG、KEGG、TIGRの各データベースから取得してアサインする仕組みを組み込み、オーソロググループの特徴付けを行う指標を整備した。近縁ゲノムのコア構造アライメントについては、3遺伝子の並び順による近傍関係グラフを用い、保存セグメントが不自然に融合することを防ぎ、複数のインパラログを含むオーソロググループについて、文脈に応じた適切なオーソログ関係を見つけ、グループを分割する処理を組み込んだ。 2) 生物学データの整備と比較ゲノム解析 ヒト腸内細菌叢に共通なゲノムの特徴を特定するために、乳児から大人まで13人の健常人を対象として比較メタゲノム解析を実施した。幼児における腸内細菌叢は大人とは大きく異なり単純で、かつ個人間における変異が極めて大きかった。大人においては、年齢や性別に関わらず機能的に一様であった。さらに、大人では237、乳児では136の、特異的に強化された遺伝子ファミリーを特定し、特異的なconjugativeトランスポゾンが、ヒト腸内において爆発的に増幅したことを発見した。 3) 情報学的ツールの整備について クラス識別と遺伝子選択の手法については,Fisherの基準をはじめとするクラス分離度を測る複数の基準がカーネル化できることを示した。また、黄色ブドウ球菌のアレイCGHデータに対し適用し、院内感染株と市中感染株間、とびひを発症する株と発症しない株間、敗血症を発症する株と発症しない株間に特徴がある遺伝子群の抽出を行った。 4) 新規微生物分野の情報収集のための基盤整備について 作製したDNAチップに対して、4種のBacillus属についてのハイブリ実験を行い、クロスハイブリのため、特異性があまり高くないことを確認した。その原因としてプローブの設計ではTm以外に、二次構造も計算する必要があることが分かり、配列の類似度を正確1に見積もるには、FASTAを用いてプローブ配列の全体での類似度を評価する必要があることが分かった。
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