研究概要 |
(あ)比較ゲノム配列解析:ヒト,チンパンジー、アカゲザル、ツパイ、マウス,ラット,ウサギ、イヌ,ウシ、ゾウ,オポッサムなどの哺乳類の様々な種のゲノム配列および他の脊椎動物(ニワトリ、熱帯ツメガエル、フグ、メダカ)のゲノム配列を大規模同時比較することにより,限定された長さの塩基配列について,全哺乳類で進化的に保存された領域を網羅的に抽出した。ヒト・マウス・ラットで同一配列となっているultraconserved element類似の高度保存領域を中心に調べる。データベースにデータがない哺乳類6種(クジラ,ゾウ,コウモリ,ジュゴン,アザラシ,オットセイ)については,新規に塩基配列を決定した。これらの領域について生物種群ごとの進化を考察した。また,同義置換数が特に低い遺伝子を哺乳類,魚類,ショウジョウバエそれぞれのグループで調べ,これらの生物群で共通に低い遺伝子を検索した。また,タンパク質ドメイン組み合わせの進化を脊椎動物の中で大規模に解析し,哺乳類で出現した組み合わせ,霊長類で出現した組み合わせ,ヒトで出現した組み合わせを発見した。 (う)ヒト,マウス,イヌ,ウシなどの哺乳類の異なる目のゲノムを大規模同時比較することにより,限定された長さの塩基配列について,全哺乳類で進化的に保存された領域を網羅的に抽出した。これらの領域について転写因子が結合する可能性のあるものを選び出し,レポーター遺伝子系とともにマウス受精卵にインジェクトし、トランスジェニックマウスを作成、機能解析した。解析はまだ途中であり,完了していない。着目した遺伝子はパラホックス遺伝子群である。
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