研究課題/領域番号 |
17018033
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
城石 俊彦 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 教授 (90171058)
|
研究分担者 |
小出 剛 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 准教授 (20221955)
|
キーワード | C57BL / 6 / MSM / Ms / コンソミック系統 / SNP / ゲノム多型性 / 表現型多様性 / QTL / サブコンソミック系統 |
研究概要 |
本研究では、進化的起源を異にする西ヨーロッパ産亜種マウス(M.m.domesticus)と日本産亜種マウス(M.m.molossins)由来の二つの系統間で染色体を1本ずつ置換したコンソミック(Consomic)系統を用いて、マウスの個体レベルで現れる様々な高次表現型を制御する単一因子や多因子を体系的にゲノム上にマップし、原因遺伝子を同定するための解析系の開発とゲノム機能解析への応用を目的とする。当該年度には、全染色体を対象としたコンソミック系統を使用して、形態学的特性(身長、体重、成長曲線等)、皮下脂肪・内臓脂肪蓄積、血液生化学的パラメータ(血中電解質、糖代謝関連、脂質代謝関連)、行動学的パラメータに関する表現型収集を行い、200か所以上のQTL(量的形質座位、Quantitative trait locus)を抽出することに成功した。さらに、各種表現型の多様性情報は、表現型データベース(NIG Mouse Phenotype Database)として構築、公開した。このデータベースは表現型の収集のみならず、データベース内部のデータやウェブ閲覧者のデータも比較して統計解析を行うことが可能である。当該年度の後半には、特定のQTLに存在すると考えられる原因遺伝子を同定するため、高詳細な染色体上の位置の特定、あるいは責任遺伝子の同定に向けたサブコンソミック系統を作製した。内容は加齢性肥満に関する染色体13番の11系統、エネルギー代謝や攻撃性に関する染色体3番に関する計22系統など、総計97系統に上る。さらに、基盤ゲノム支援班によるMSM/Ms系統のWGSプロジェクトと連携してC57BL/6J系統との間に一千万か所以上に上るSNP情報を収集した。このゲノム多型はデータベース(NIG Mouse Genome Database)として構築、公開した。我々がマウス亜種間ニンソミック系統を基盤に構築した解析系やデータベースを効果的に連携させることで、ゲノム機能解析を強力に推進するためのプラットフォームを構築した。
|