研究課題
(1)トランスポゾンにhsp70プロモーターとGFP遺伝子を組み込んだエンハンサートラップベクターを構築した。このエンハンサートラップベクターをゼブラフィッシュゲノムにランダムに挿入させると、挿入部位近傍のエンハンサーによりhsp70プロモーターが活性化され、GFPを組織特異的・器官特異的に発現するゼブラフィッシュが非常に効率よく得られることがわかった。(2)トランスポゾンにhsp70プロモーターと酵母転写因子Gal4を組み込んだGal4エンハンサートラップベクターを構築し、ゲノムにランダムに挿入させた。これらGal4系統をGal4結合配列であるUASの下流にGFPをもつUAS-GFPリポータートランスジェニックフィッシュとかけあわせ、Gal4が組織特異的・器官特異的に発現することによりGFPが組織特異的・器官特異的に発現されるゼブラフィッシュを効率よく得ることができた。この結果は、ゼブラフィッシュにおけるGal4エンハンサートラップ法の世界で初めての成功である。(3)トランスポゾンを用いた遺伝子トラップ法、エンハンサートラップ法、Gal4エンハンサートラップ法を実施し、GFPあるいはGal4を組織特異的・器官特異的に発現するゼブラフィッシュ200系統を樹立した。(4)これらトラップ系統中のトランスポゾン挿入をインバースPCR法などで解析し、100系統についてトランスポゾン挿入部位の塩基配列を決定した。(5)遺伝子トラップ系統については、5'RACE法等によりトラップされている遺伝子を決定した。エンハンサートラップ系統については、トランスポゾン挿入部位のDNA塩基配列のデータベースを用いた解析により、エンハンサートラップベクターが非常に高頻度で蛋白質をコードしている遺伝子内に挿入されていることがわかった。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (2件)
Developmental Dynamics 234
ページ: 244-254
Genetics 170
ページ: 263-273