研究課題
ミヤコグサより単離されたHAR1受容体型キナーゼは、根とシュートの遠距離シグナル伝達を介して根粒菌との共生系を安定化させる。HAR1はシロイヌナズナの茎頂分裂組織を制御するCLV1と高い相同性を有し、CLV1はCLV3ペプチドを認識することから、HAR1のリガンド候補としてミヤコグサCLV3様ペプチドを候補としてミヤコグサのゲノム情報から探索した。現在までに13種類のCLV3様ペプチド遺伝子を特定し、発現解析を進めた。またhar1変異体と同様、シュート由来の共生抑制物質(オートレギュレーションシグナル)を失った新たなミヤコグサ根粒過剰着生変異体を単離し、原因遺伝子の候補を特定した。狭域宿主型ミヤコグサ根粒菌であるMAFF303099株について、3型分泌系の構造体遺伝子群または制御遺伝子ttsIの破壊株を作製したところ、いずれの破壊株もミヤコグサとの共生能力に変化は無かったが、野生株が根粒すら形成できないマメ科の木本ギンネムと共生可能となった。このことから、ギンネムでは3型分泌系構造体自体か分泌されるタンパク質のいずれかが宿主防御を惹起することによって共生が阻害されるものと考えられる。共生関連遺伝子の機能解析の一環として、酵母のTwo-hybrid法による遺伝子産物の相互作用解析を大規模に展開した。2005年度中に1150の遺伝子産物についてのスクリーニングが終了し1291の遺伝子産物からなる1960の相互作用候補を検出している。さらに、相互作用解析過程で作成した遺伝子完全長を個別にクローニングしたENTRYクローンについて、根粒菌研究者の共通リソースとして保存、配布できる体制が整えられつつある。
すべて 2006 2005
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