研究課題/領域番号 |
17019001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
五味 勝也 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60302197)
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研究分担者 |
阿部 敬悦 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (50312624)
小林 哲夫 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (20170334)
北本 勝ひこ 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20272437)
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キーワード | コウジカビ / 転写因子 / 情報伝達 / タンパク質分泌 / ヒスチジンキナーゼ / MAPキナーゼ / 小胞輸送 / 有用分解酵素 |
研究概要 |
(1)当初のゲノム解析結果から推定された遺伝子のうち、約230種類のZn(2)-Cys(6)、GATA(6種類)、bZIP(8種類)、bHLH(10種類)の高発現株についてはほぼ完了しているが、C2H2(約60種類)については6割程度の進捗状況である。高発現株ライブラリーから見出された、固体培養特異的な発現を示すグルコアミラーゼ遺伝子(glaB)を制御する転写因子とアラビナン代謝を正に制御する転写因子(araR)の機能解析を行った。非相同末端結合の最終段階で機能しているDNAリガーゼIVの破壊株を造成し、MAPキナーゼ遺伝子全5種類の破壊を行った結果、3種類の遺伝子で100%の効率で相同部位にターゲティングされ、標的遺伝子の相同領域の長さは500bp程度が必要であった。 (2)糸状菌の細胞壁合成に関与する情報伝達系の解析を行い、MAPキナーゼのMpkAに支配される転写因子が酵母のオーソログとは異なり、複雑な経路で制御されることを明らかにするとともに、希少多糖であるα-1,3-グルカンの大量分離法を確立した。15種類のHisキナーゼ(HK)のうち、10種の遺伝子を破壊し、また、3種の高発現株を作製して、これら破壊株、高発現株の表現型を解析した。大腸菌のHKであるArcBを自己リン酸化させて用い、ArcBからYpdA、YpdAからSrrA、SskAへのリン酸基転移、ならびにYpdAからHKのFphAへの逆方向のリン酸基転移を確認した。 (3)全21個のSNAREのN末にEGFPを融合したタンパク質として発現させ、19個のSNAREタンパク質の可視化に成功した。Rab GTPaseをコードすると予想される10個の遺伝子をクローニングし、そのN末にEGFPを融合したタンパク質として発現させた株を作製し蛍光顕微鏡により観察した。また、A.saitoi由来のα-1,2-mannosidaseの1アミノ酸置換による立体構造変異体を発現させた結果、発現レベルが低い場合では分泌されずに細胞内で分解されていたが、高発現させると過剰な糖鎖付加がおきて分泌された。一方、転写因子PrtRと液胞プロテアーゼPepEとの二重破壊株を作製したところ、異種タンパク質の分泌生産量が向上した。
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