研究概要 |
本研究の目的は. ヒトゲノム研究推進のために, どの様な研究支援体制が必要であるかを明らかにすることである. 研究対象とする疾患によって, 必要とされる支援体制には共通する部分と, 固有の部分がある. 固有部分の多くは, その疾患頻度に起因する. そのため, 本研究では, 対象として比較的頻度の高い「脳動脈瘤」と個々には頻度の低い「先天異常」を選んだ. これまでの研究から. 比較的頻度の高い疾患に関する支援として, インフォームド・コンセント履行補助者の教育と派遣が考えられる. 本研究プロジェクト終了後も継続できる制度とするための方策を検討した. 一方, 頻度の低い疾患に関する支援として, (1)専門外来を担当する医師の全国的なネットワーク構築, (2)解析結果の臨床応用の検討, (3)貴重なヒト試料を将来にわたって有効に使用するための試料保存体制の検討, などを検討した. これらの支援内容に関して支援委員会と共同で, 上記2疾患に関して検討し, 他の疾患研究推進のモデルとする. また, 海外におけるゲノム研究支援状況を把握し, 日本に適合する研究支援体制のあり方を検討した. インフォームド・コンセント履行補助者をゲノム・メディカルリサーチコーディネーター(GMRC)と名付け, 昨年度までに, 複数学会がサポートする制度の基本設計ができあがった. 更に, 暫定制度の認定, 恒久制度認定のための講習会, 認定試験, 認定証の交付などを実施することができた. また, 到達目標, 制度委員会規則, 細則などの案も策定した. プロジェクト終了後も存続する制度とするために, 日本人類遺伝学会が認定する制度とした. さらにこの制度の有用性を高めるために, 他の学会への参加を呼びかけ, 複数学会との連携体制構築の検討を始めた.
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