研究分担者 |
後藤 順 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10211252)
高橋 祐二 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00372392)
百瀬 義雄 東京大学, 医学部附属病院, 特任教員 (30359624)
小野寺 理 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (20303167)
村山 繁雄 東京都高齢者研究福祉事業団, 東京都老人総合研究所, 惨事研究員 (50183653)
|
研究概要 |
本研究の目的は,大規模なゲノム解析を基盤として,神経疾患の発症に関連する遺伝子を同定することにより,疾患の予防や治療に向けての具体的な戦略を導き出すことにある.平成18年度においては,多系統萎縮症を対象とした多施設共同研究体制を構築し,ゲノムDNAの収集と臨床情報の収集を行った.175例の多系統萎縮症,106例のコントロールを用いた50万SNPsのゲノムスキャン結果について,詳細な遺伝統計解析を実施した.家族性多系統萎縮症を始めとする家系例について,100K,500KSNPタイピングの結果を直接インポートすることにより,parametricおよびmodel-free連鎖解析を一括実行するプログラムを作成し,家族性MSAの連鎖解析に応用した.連鎖不平衡に関する情報を取り込み,アルゴリズムの最適化を進めている.常染色体劣性遺伝性のCARASIL(Cerebral autosomal recessive arteriopathy with subcortical infarcts and leukoencephalopathy)については,これまでに行った連鎖解析から候補遺伝子量域を絞り込み疾患特異的な変異を有する遺伝子を特定し,この変異によって生じる遺伝子産物の機能変化の解析を進めている.resequencing microarrayを用いて,家族性パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症,脊髄性筋萎縮症,家族性アルツハイマー病,家族性痙性対麻痺,副腎白質ジストロフィーなどを対象とした病因遺伝子の網羅的解析を可能にするハイスループットシステムを構築し,孤発性筋萎縮性側索硬化症を対象として実証を行い,新規のSNPを多数同定するとともに一部に病因となっている変異を見出した.
|