研究分担者 |
佐々木 司 東京大学, 保健センター, 准教授 (50235256)
谷井 久志 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (40346200)
加藤 忠史 独立行政法人理化学研究所, 精神疾患動態研究チーム, チームリーダー (30214381)
松本 直通 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (80325638)
吉川 武男 独立行政法人理化学研究所, 分子精神科学研究チーム, チームリーダー (30249958)
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研究概要 |
今年度の研究実績は以下の通りである。 1.血液試料収集(佐々木,谷井) パニック障害患者の末梢血サンプル250例を目標とし,3月末で合計1000例を達成した。健常対照者の末梢血サンプルを新たに100例以上を目標とし,合計400例を達成した。 2.患者200vs健常対照200の500KSNPsチップによるゲノムスキャン(GWAS) 健常対照100の500KSNPsゲノムスキャンの追加を行い,得られた結果を解析,call rate>95%,Hardy-Weinberg平衡でp>0.1%,minor allele frequency>10%de,患者/対照観察比のp<0.0001の条件を充足する28個の有意なSNPsが見出された.応用ゲノム領域タイピングセンター(徳永勝士教授)開発のチップDigiTag2により,追加SNPs4個を加えて32個のSNPsにっいて,558人の患者と566人の対照者の相関解析を行った。多重比較補正後に有意なSNPsはなかったが,p<0.05で有意な2SNPs(p<0.021,p<0.025:22q)が認められた。現在,このSNPsを含む遺伝子の機能を検討中であり,また,900KSNPsによる解析を計画中である. 3.パニック障害の症状とMRS所見と遺伝の関係 COMT158Met/Met多型に動悸や息苦しさの訴え,MAOA高活性型に胸痛や嘔気が有意に多く。パニック障害家族歴と感覚異常・冷感・熱感の体験が有意に関連していた。また,NIRSの前頭前野賦活低下がこれらと相関していた。症状の遺伝的基盤が確認されあt. 4.10数例のパニック障害家族例のアレイCGH解析により欠損・重複・CNV等の構造異常が数例に見出され,一卵性双生児リンパ芽球遺伝子発現解析により,2ペア共通に発現増加15遺伝子,減少28遺伝子を同定した。 これらとGWAS所見とを総合して,候補遺伝子を今年度以降絞り込んでいく予定である。
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