まず、人工転写因子ライブラリー発現ベクターのプリカーサーを作成した。このベクターに人工転写因子遺伝子を導入した発現ベクターを作成し、このベクターでヒト由来細胞HEK293を形質転換し、この遺伝子が効率よく発現されることをウェスタンブロットで確認した。また、人工転写因子ライブラリー作成に必要なすべてのDNAフラグメントのデザインを完了した。まずグアニン(G)が豊富な塩基配列を認識できるように(ヒトのプロモーター配列はGが豊富な場合が多い)、ライブラリー全体の4分の1に該当するDNAフラグメント作成用のDNAオリゴマーを購入し、(部分的な)ライブラリーを作成した。このライブラリーを発現ベクターのプリカーサーに導入したもので大腸菌を形質転換し、生成してきた50個以上のコロニーからDNAベクターを単離し、各々の塩基配列を決定したところ、各DNAフラグメントがランダムにアッセンブルされて、狙い通りの(部分的だが)人工転写因子ライブラリーができることを確認した。こうして得られた人工転写因子ライブラリーをヒト由来細胞に遺伝子導入したが、1回目のセレクション操作における標的の性質を示した細胞の割合が極端に低かったので、現在、遺伝子導入時の実験条件等の最適化を行なっているところである。また、残り4分の3のDNAフラグメント作成用のDNAオリゴマーを購入し、完全なライブラリーの作成も現在行なっているところである。
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