研究課題/領域番号 |
17019038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
辻本 豪三 京都大学, 薬学研究科, 教授 (80172013)
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研究分担者 |
平澤 明 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (70242633)
輿水 崇鏡 京都大学, 薬学研究科, 講師 (20392491)
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キーワード | DNAチップ / 高感度化 / 高感度チップ / テーラーメード医療 / 微量臨床検体 / 網羅的 / ゲノム解析 |
研究概要 |
本年度は、DNAチップ基板をこれまでの平板から凹凸形状にする画期的なアイデアと、解析のための検体との反応を強制的に促進させる技術を開発し、従来のDNAチップに比べ最高で100倍の高感度化が達成できる技術の確立に成功した。 多数の遺伝子情報を一斉に解析できるDNAチップは、今後テーラーメイド医療や創薬開発のキーツールとして期待され、多くの研究機関やメーカーで種々のDNAチップが開発されるが感度が充分でないため、患者に負担が少ない低侵襲の採取方法により得られた微量検体の解析や、極僅かにしか存在しない遺伝子に関する高い精度の解析が難しいという課題があった。 我々は、世界のデファクトスタンダードである米国アフィメトリクス社のジーンチップと比して更に高感度のチップ開発に成功した。基礎検討より通常のチップの約100倍の高感度検出が可能となり、微量臨床検体(例えば、臨床生検試料など)によるテーラーメード医療に大いに活用できる基盤が世界に先駈けて構築できた。このことはメディアなどでも大いに喧伝されたが、更に基礎研究、特に創薬科学研究等の治療目的の医療科学分野にも広く用いる可能性を示した。高感度化は上述のようにむしろ予測を超えた成功に繋がった。一方で、その検証できる数は現在256と数が少なくまだ網羅性に乏しい。このプラットフォームでその数を多くする努力も継続的に必要である。今後は更にその高感度性を広く臨床、基礎ゲノム研究に活用してその応用性を広げる段階にあると考える。
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