研究課題/領域番号 |
17019043
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武田 雅俊 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (00179649)
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研究分担者 |
紙野 晃人 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40307955)
田中 稔久 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10294068)
赤津 裕康 医療法人さわらび会福祉村病院, 長寿医学研究所, 副所長 (00399734)
前田 潔 神戸大学, 医学系研究科, 教授 (80116251)
中島 健二 鳥取大学, 医学系研究科, 教授 (70144673)
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キーワード | アルツハイマー病 / 第21染色体 / アポリポ蛋白C1 / 罹患同胞対 / アポリポ蛋白E / アポリポ蛋白C2 / 第21染色体 |
研究概要 |
大阪大学でのアルツハイマー病患者の家族歴を検討した結果、263例中48例(18.3%)に家系内発症を、14例(5.3%)に同胞発症を認めた。したがって、100例の同胞収集には約2000例の患者集団が必要と試算され、現在罹患同胞例の収集を進めている。一方、高齢発症型アルツハイマー病および一般集団由来の非痴呆健常者各々370例を対象として、既報のリスク遺伝子多型についてその再現性を検討した。ゲノタイピングは定量的PCRによるゲノタイピング法を用いた。その結果、67遺伝子中3遺伝子(4.5%)、すなわちAPOC1(19q13.2、アレル頻度p=0.0014)、IDE(10q23、同p=0.0085)、MME(3q25、同p=0.048)の3遺伝子に有意な連鎖不平衡を認めた。APOC1はAPOEに近接しており、近接座位効果による可能性が考えられた。一方、APOE遺伝子に近接したAPOC2遺伝子では、そのマイクロサテライト多型に発症年齢との相関が検出された。第12染色体短腕座位および第21染色体座位を対象として、SNPによる領域限定ゲノムスキャンをおこなった。約100kb間隔にあるSNP(マイナーアレル頻度5%以上)を選択し、かつ1遺伝子に1以上のSNPが分布するようにSNPを選択した結果、第12染色体短腕座位では8遺伝子に有意な連鎖不平衡を検出した。その中の1遺伝子に関しては、遺伝子群の連鎖不平衡を検討したところ、2遺伝子に関連が認められた。第21染色体では9座位6遺伝子に有意な連鎖不平衡が認められ、1遺伝子はダウン症候群責任領域に位置していた。アルツハイマー病患者脳ではその遺伝子の発現が有意に増加しており、培養細胞ではβアミロイド添加で遺伝子発現の有意な上昇を認め、遺伝子発現上昇によるタウ蛋白のリン酸化が確認された。
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