研究課題/領域番号 |
17019044
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
戸田 達史 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (30262025)
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研究分担者 |
村田 美穂 国立精神神経センター, 武蔵病院・神経内科, 部長 (30282643)
服部 信孝 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80218510)
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キーワード | パーキンソン病 / 多因子病 / SNP / 疾患感受性遺伝子 / 薬剤副作用 / オーダーメイド医療 / マイクロサテライト |
研究概要 |
パーキンソン病(PD)は多因子遺伝性疾患と考えられ、家族性PDではα-synucleinやparkin遺伝子が発見されたが、患者の大部分を占める孤発性PDでは疾患感受性遺伝子は証明されていない。本研究では、疾患感受性遺伝子を同定すると同時にSNPと各薬剤への反応性、副作用との関連を明らかにしオーダーメイド治療法を確立する、ことを目的とし今年度は以下の結果を得た。Pooled DNA法によるゲノムワイドマイクロサテライト関連解析で約27,000マーカー全てに関して関連解析を行い、8%のマーカーで関連(p<0.05)を認めた。これらに関して各250人づつの全く別のプール検体で、2次ついで3次スクリーニングを行った。3次スクリーニング終了後、波形を検討し各624人としてp<0.001を満たすものとして71マーカ-が得られた。これらを現在個別タイピングにて検証中であるが、現時点で16個のマーカーがp<0.05を示し、最低3ケ所でp<0.001の有意な領域が同定されており、いよいよ全ゲノムから少数の領域に絞られてきた。これらと連鎖不平衡にある遺伝子が弧発性パーキンソン病の発症に関与していると考えられる。多くの候補遺伝子上のSNPマーカーを用いたケースコントロール関連解析では、1次スクリーニングとして、患者・対照各190人で122個の候補遺伝子上の267個のSNPsを解析した結果、16個の遺伝子上の計22個のSNPsが1次スクリーニングで残り、二次スクリーニングとして、これらの22個のSNPsを患者・対照各約900人に増やして関連解析した結果、・-synuclein(SNCA)遺伝子のintron4上に存在するSNPにp=5.0x10^<-10>という極めて強い関連を見出した。このSNPの周辺で連鎖不平衡マッピングを行い、さらに関連解析にて、そのSNPと高いr^2値(>0.85)をとる周囲の計6個のSNPsで全てPDと強い関連(p=2.0x10^<-9>-1.7x10^<-11>を示すことを見い出した。これらのSNPの各遺伝子型ごとのSNCA発現をみたところ、リンパ球とは異なり、大脳にてPD associated alleleの数に応じ、SNCA遺伝子発現が増加している傾向がみられた。
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