研究概要 |
これまでに2型糖尿病者・正常対照者それぞれ約1,600検体と10万箇所に及ぶSNPとを用いた、3段階スクリーニング関連解析を行い、2型糖尿病の発症と有意な関連を示す10SNP(7遺伝子)を見い出した。これらの7遺伝子のうち1つの遺伝子に注目し、高密度SNP関連解析を終了させ、この遺伝子内で最も有意な関連を認めた3つのSNPについて、新たな2型糖尿病患者・正常対照者サンプルを用いて再現性があるかどうかの確認を行なった。その結果、2つの日本人確認パネル、1つの中国人パネル、1つの韓国人パネル、1つの白人パネル、合計5つの集団(ケース・コントロール併せて約20,000人)において2型糖尿病の発症とこの遺伝子が関連することを追認した。 これとは別に春日らは分担研究者の安田、牧野、南條、門脇との共同研究により、本共同研究で収集した4,000人以上の日本人サンプルを用い、TCF7L2遺伝子が日本人でも2型糖尿病と関連することを示した。門脇らは、欧米人における複数の全ゲノム関連解析において報告された新規糖尿病感受性遺伝子について日本人における関連解析を行い、HHEX遺伝子のみが有意に2型糖尿病と関連することを見い出した。南條らは、IDE-KIF11-HHEX遺伝子領域に存在する2つのSNPが日本人において2型糖尿病と関連することなどを示した。牧野らは、レジスチンの血中濃度が一般日本人2,078人においてプロモーター領域のSNPと関連すること、インスリン抵抗性指標となるHOMA-IR、低HDLコレステロール血症と相関することを見い出した。また、春日・門脇らとの共同研究で、レジスチンのSNPが2型糖尿病の発症年齢と関連することを見い出した。安田らは、転写因子Nrf2、Keap1、ABCC3著遺伝子についてのハプロタイプ解析を行い報告した。
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