研究概要 |
1.ローカスワイド関連解析 (1)グルタミン酸受容体遺伝子群のなかで、メタボトロピックグルタミン酸受容体8型遺伝子(GRM8)およびNMDA受容体2D型遺伝子(GRIN2D)、カイニン酸受容体7型、KA1型、KA2型各遺伝子(GRIK3,GRIK4,GRIK5)の全領域にわたり、連鎖不平衡を考慮し選択したSNPを用いて関連解析を行った。GRM8,GRIN2Dについてはハプロタイプと疾患との関連を見出した。一方GRIK3,GRIK4,GRIK5については関連を認めなかった。グルタミン酸トランスポーターEAAT2遺伝子(SLC1A2)についてハプロタイプで関連を認めた。 (2)罹患同胞対解析による5q33.1領域の遺伝子群について:本領域5.7Mbに存在する43個の遺伝子領域に、連鎖不平衡を考慮して選択したSNPについてタイピングを行った。有意差が見られたSNPについてサンプル数を追加しさらに解析を行ったところ、遺伝子型・アレル頻度で1遺伝子、ハプロタイプ頻度において1遺伝子、それぞれ疾患との有意な関連が認められた。 (3)PCP投与ラットの大脳の5部位から、マイクロアレイを用いて発現に変化を来す遺伝子を見出した(発現亢進71個、発現低下31個)。その中で2.5倍以上の変化を来す10個の遺伝子を定量的RT-PCR法により確認した。これらの遺伝子について関連解析を開始した。 2.ゲノムワイド関連解析 27,000のマイクロサテライトマーカーを用いて1〜5次ゲノムワイド関連解析を行っている。 1次スクリーニングについて:1〜18番,20番染色体は終了した。終了マーカー数25,074、その中で有意差が見られたマーカー数は2,951(11.8%)であった。 2次スクリーニングについて:1〜6番,9〜18番,20番染色体はほぼ終了した。終了マーカー数1,868、その中で有意差が見られたマーカー数は638(34.2%)であった。
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