研究課題/領域番号 |
17019055
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
新川 詔夫 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 教授 (00111170)
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研究分担者 |
吉浦 孝一郎 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (00304931)
太田 亨 北海道医療大学, 個体差健康科学研究所, 助教授 (10223835)
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キーワード | 単因子疾患 / 多因子疾患 / 連鎖解析 / 染色体構造異常 / 家族性心房中隔欠損症 / Kabuki make-up症候群 / 精神遅滞症 |
研究概要 |
単・寡少・多因子疾患に関して、多発家系の連鎖・罹患同胞対・染色体構造異常解析などの遺伝学的方法による疾患座の局在特定、疾患関連遺伝子の単離・同定、および機能解析による発症機構の解明を目的として研究を行った。家族性心房中核欠損症では、4世代11名の罹患者家族の連鎖解析でD8S552座が高いLod得点を示し、同領域の候補遺伝子GATA4の変異解析を行った結果、罹患者全員に1塩基欠失(c.1074delC)を同定した。耳垢型では、候補領域である16q11.2-q12.1に注目し、湿型38名、乾型88名、計126名におけるCAリピートおよびSNPタイピングを行い、症例・対照テストを行った。その結果、ABCC11遺伝子の機能的SNP(c.538G>A)のGGとGA遺伝子型は湿型を、AAホモ接合体が乾型であり、同SNPがヒト耳垢型を決定していることを突き止めた。2型糖尿病(DM2)では、DM2を合併した母娘の染色体転座の3p21.31切断点解析を行い、断裂したKIAA0263(IHPK1)遺伝子を同定した。核型正常の405名のDM2患者の解析では同遺伝子の変異はみられなかったので、DM2の新しい候補遺伝子ではあるが、主たる疾患遺伝子ではないと結論した。先天性無鼻症では、無鼻症を伴う新生転座t(3;12)症例のFISH解析を行い、3q11.2切断点に19Mbの欠失を同定した。別の核型正常4例には欠失はなく、切断点領域の候補遺伝子探索でも有用情報は得られなかった。Kabuki make-up症候群(KMS)と非特的精神遅滞(MR)では、2200BACクローンによる全ゲノムCGHマイクロアレイを構築・開発し、KMS40例とMR30例を解析した結果、5例のMRに病的な顕微鏡解像度以下の微細構造異常を同定した。このうち1例の欠失部位に、ある種の精神神経疾患で断裂の報告のあるDOCK3遺伝子がマップされており、その精神神経疾患の責任遺伝子である可能性が高い。KMSでは1つの欠失(2p11.2)と1つの重複(Xp22.3)を認めた。
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