1:DGCR8は1つのWWドメインと2つのDSRBドメインを併せ持った極めて稀な構造を持つタンパク質を産生する。マウス胎児を用いた解析で、DiGeorge/CAFS症候群の発症組織に一致する発現を認めた。 2:LLN12(RUTBC2)は特に脳で強い発現を示しており機能が注目される。RUTBCの全長クローニング、発現系の構築を行った。 3:ZNF295はBTB/POZドメインとZincフィンガードメインを持つ。ドーパミントランスポーター(DAT)遺伝子の転写を促進することが知られているZFP161タンパクと結合して転写を抑制することを発見した。 4:C8orfK23(FER1L5)は新規遺伝子であり巨大タンパク質をつくることが判明した。ホモローグ検索の結果、非症候群性難聴DFNB9の原因遺伝子OTOFにもっとも類似していた。 5:CSMD3は連鎖解析により良性の家族性てんかんの原因候補遺伝子と考えられる。CSMDファミリーは脳で強く発現しているが、8番染色体の解析の結果CSMD1は多様性が極めて高いことが判明した。 6:PKHD1L1は多発性嚢胞腎(ARPKD)の原因遺伝子であるPKHD1のファミリー遺伝子である。モデル生物としてメダカを選択し、RT-PCRにより67エキソンの配列決定を行うことができた。 7:DSCR4はヒト組織の中では胎盤にのみ検出されるが、マウス胎盤には検出されないという極めてまれなタンパク質である。転写開始点を含む一連の欠失体を作製し、活性を測定したところnt-800付近の領域で著しい活性の上昇が見られた。 8:COH1(VPS13B)はCohen症候群の原因遺伝子として確認された巨大タンパク質である。VSP13Aは舞踏病・有棘赤血球症の原因遺伝子であることから、VSP13ファミリーのすべてが何らかの重要な生理作用を営んでいると考える。
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