研究課題/領域番号 |
17020003
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
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研究分担者 |
大橋 順 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80301141)
宮寺 浩子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (40361464)
本多 真 財団法人 東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 副参与研究員(研究職) (50370979)
慶長 直人 国立国際医療センター研究所, 呼吸器疾患研究部, 部長(研究職) (80332386)
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キーワード | SNP(単一塩基多型) / 疾患関連遺伝子 / ゲノムワイド関連分析 / 2型糖尿病 / パニック障害 / 多系統萎縮症 / ナルコレプシー / 結核 |
研究概要 |
SNP解析支援: 500K SNPアレイにより450名の健常者試料のタイピングを完了し、一定の品質基準を満たした試料とSNPsに基づいて健常対照群データを作成した。また、多系統萎縮症患者230名およびパニック障害患者200名の試料についても500K SNPタイピングを完了し、品質管理基準を満たしたデータについて疾患関連分析を行った。さらに、最も新しい900K SNPsと900K CNV probesを搭載したアレイについても健常者200名のタイピングを実施した。2型糖尿病については、先の特定領域「ゲノム医科学」で実施されたゲノムワイド関連分析によって検出された複数の有望な遺伝子について、絞り込みのためのSNPタイピングを実施した。この結果、ヨーロッパ系集団で報告のない新規感受性遺伝子が見出された。 個別的研究: ナルコレプシーに関しては、220名の患者および約400名の健常者を対象として500K SNPを用いたゲノムワイド関連分析を完了し、数十の候補領域を検出した。このうち1個のSNPについて再現性が確認され、さらに絞り込みも完了した。韓国人でも同様な関連を認めたことから、新たな感受性遺伝子を同定したと考えられる。一方、網羅的遺伝子発現解析から同定された新規ナルコレプシー関連遺伝子IGFBP3の機能を検討した結果、IGFBP3がオレキシン遺伝子の転写を抑制し、行動面でも覚醒を減少させたことから、ナルコレプシーの病態に関連することが証明された。マラリアについては、染色体5q33領域の解析から、TIM1遺伝子プロモーター領域多型と脳性マラリアとの関連を見出した。結核については、タイ罹患同胞対連鎖解析により第5染色体長腕上に連鎖を示唆する領域を検出した。また若年発症例では、第17番と20番染色体に新たな連鎖領域を見出した。
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