研究概要 |
1) 腸系譜の時期特異的発現のモチーフ予測と同定:モチーフ同定のために開発したFEsystemを3つの連続した原腸陥入期(E2-,E4-E8-時期)で発現が開始する遺伝子群に応用し、レポーターアッセイ等の検証実験を行なった。GATAサイトに加え、GATAではないモチーフを各時期から同定でき、同定したモチーフを交換することで腸系譜での遺伝子発現開始時期を調節できることを確認した。さらに同定モチーフを線虫のyeast-one-hybridのデータセットを探索した結果、それぞれの時期で転写因子候補を見出し、特にE8時期については時期・部位特異的な転写制御には、「部位」を制御しているGATA因子と「時期」を制御しているDAF-12の組み合わせで発現が制御されていることが示唆された。 2) 初期胚における翻訳制御・局在化のメカニズム:昨年度までに母性遺伝子pos-1 mRNA局在化に必要な配列(シス因子)をpos-13^'UTRの58塩基の配列にまで絞りこんだ。同定されたシス因子は近縁種間で高度に保存されており、C.elegansでも機能した。トランス因子についてYeast three-hybrid法を利用してシス因子と結合するタンパク質を探索し、RNAi等により候補遺伝子のpos-1 mRNAの局在への影響を調べた結果、mex-1がpos-1 mRNAの局在に必要な事が分かった。MEX-1とpos-1 mRNAの結合を確認した。また、pos-1 mRNAとは逆にAnterior側に局在するmex-3 mRNAの局在シス因子を3-UTR内の179塩基に絞り込み、その中の35塩基が重要であることを示した。
|