研究課題/領域番号 |
17022033
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
北澤 茂 順天堂大学, 医学部, 教授 (00251231)
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研究分担者 |
陸 暁峰 順天堂大学, 医学部, 准教授 (20360703)
高橋 俊光 順天堂大学, 医学部, 助教 (00250704)
高島 一郎 産総研, 脳神経情報研究部門, グループ長 (90357351)
西森 康則 産総研, 脳神経情報研究部門, 研究員 (00357724)
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キーワード | 小脳 / サッケード / 前頭眼野 / 補足眼野 / 到達運動 / BMI / マルチ電極 / プリズム順応 |
研究概要 |
本研究は小脳が滑らかな運動指令の生成にどのようにして貢献しているのか、その機構解明を目的としている。 1.眼球運動制御に関する研究 補足眼野と前頭眼野から記録したニューロンの活動を入力として、眼球ロボットの制御を行い、サルと同様の滑らかな運動をロボットで実現する。本年度は次の研究を実施した。前頭眼野と補足眼野からマルチ電極を使って同時記録した複数のニューロンの活動からサッケード開始のタイミングと振幅、方向を推定した。前頭眼野14個のニューロンの同時計測データを用いた場合には、タイミングの正推定率(誤差0.1秒未満)は34%、目標(16目標)の正推定率は44%に達した。補足眼野27個のニューロンの場合には、タイミングと目標の正推定率はそれぞれ45%、38%だった。前頭眼野は補足眼野のおよそ半数の細胞で同程度の推定精度を達成できることが示唆された。 2.腕運動制御に関する研究 目標に向かって手を伸ばす到達運動は、終点の誤差の分散を最小化するような運動と近い。このような制御が、登上線維に表現されている到達運動終点の誤差の情報を使って実現されていることを検証するための研究を行う。今年度は以下の2項目を行った。1)プリズムを制御して、終点の誤差を自在にコントロールすることが可能な到達運動の実験系を開発し、サル1頭を訓練した。2)小脳が不可欠であることが知られている「プリズム順応」について24時間以上の長期間にわたる後効果を実現するのに必要な試行数を調べた。従来500回と報告されていたが、視野の移動を徐々に行えば少ない回数で実現できる可能性が指摘されていた。しかし、視野の移動を徐々に行った場合でも350回の試行では長期の後効果は生じず、500回の試行を繰り返して初めて長期の後効果が生じることが明らかになった。
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