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2005 年度 実績報告書

神経回路の動態に基づく大脳皮質-大脳基底核機能連関の計算論的理解

研究課題

研究課題/領域番号 17022036
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

深井 朋樹  独立行政法人理化学研究所, 脳回路機能理論研究チーム, チームリーダー (40218871)

キーワード脳・神経 / 計算理論 / 生物・生体情報 / 計算機シミュレーション / 認知・行動
研究概要

近年、大脳皮質ニューロン間の層特異的な結合構造や活動様式についての実験的報告が増えている。大脳皮質スライス標本の2/3層において、ベキ的な特徴をもつ自発的同期神経発火が見出された。このような現象は神経発火の伝播が臨界的なダイナミクスを示すか、あるいは背景に特殊な神経回路構造が存在することを示唆している。そこで第一の可能性があり得そうもないことを示し、第2の可能性に基づく大脳皮質上層のセル・アセンブリのモデルを構築した(論文を投稿中)。本年度は特に抑制性ニューロンを導入して時系列処理・時系列記憶の機能が大幅に向上することを示した。また理論的解析が可能な簡単なモデルを作り、ベキ分布が系列記憶の安定性にもたらす影響を明らかにした。さらにこの理論をもとに、大脳皮質の局所回路構造と発達メカニズムの解明を目指す、実験との共同研究(理研宮脇ラボ)を立ち上げた。また大脳皮質の層特異的な神経計算に迫るために、2/3層と5層の錐体細胞から位相応答を記録したが、周波数帯ごとに解析を行い、シータ周波数帯(4〜8Hz)では同期発火を好む性質を共有するが、ガンマ周波数帯(20〜80Hz)では全く反対の性質をもつことを見出した(投稿中)。このために新たに追加データの記録を行った。またこれ以外にも大脳皮質のアトラクター神経回路の自己組織化や、アトラクターダイナミクスとニューロンのUP状態やDOWN状態との関係性について、モデルによる解析などを行った。上記の研究とは少し異なる観点から、大脳基底核のドーパミン神経系による強化学習と動物行動との関係性を理論的に解析した。それにより、多くの計算論的モデルでは、最適行動ではなく、むしろマッチング行動が学習されることなどを示した(論文を投稿中)。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] 漸次的持続活性の神経生理学的および計算論的知見が開く連想記憶の新しい地平2005

    • 著者名/発表者名
      岡本洋, 坪下幸寛, 深井朋樹
    • 雑誌名

      日本神経回路学会誌 12・4

      ページ: 235-248

  • [雑誌論文] Combined modeling and extracellular recording studies of up and down transitions of neurons in awake or behaving monkeys2005

    • 著者名/発表者名
      H.Okamoto, Y.Isomura, M.Takada, T.Fukai
    • 雑誌名

      Advances in Behavioral Biology : Basal Ganglia VIII 56

      ページ: 555-561

  • [雑誌論文] Synchronization properties of slow cortical oscillations

    • 著者名/発表者名
      T.Takekawa, T.Aoyagi, T.Fukai
    • 雑誌名

      Progress of Theoretical Physics (発表予定)

  • [雑誌論文] Computational algorithms and neuronal network models underlying decision process

    • 著者名/発表者名
      Y.Sakai, H.Okamoto, T.Fukai
    • 雑誌名

      Neural Networks (発表予定)

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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