研究課題
プルキンエ細胞は、近位樹状突起を1本の登上線維が単一支配し、遠位樹状突起を約10万本の平行線維が支配するという、特徴的なシナプス回路を作り上げている。グルタミン酸受容体δ2は平行線維シナプスに選択的で、この分子完全欠失型欠損によりプルキンエ細胞と平行線維終末間のシナプス結合が弱まり、多数のフリースパインが出現することが知られている。本年度の研究推進により、この平行線維シナプス形成の分子機構に関する以下の研究成果が得られた。正常なシナプス回路が完成した成体期において、δ2欠失を誘導する条件的欠損マウスを作成し、その後の変化を形態学的に追求した。その結果、この分子の減少と一致して、平行線維シナプスが減少し多数のフリースパインが生じた(Takeuchi, Miyazaki et al., J.Neuroscience,25:2146-2156,2005)。この結果は、δ2が発生期だけではなく成体期における平行線維シナプスの維持に関わっていることを示している。さらに、セレベリン1は小脳顆粒細胞に選択的な分泌性分子であるが、この分子欠損においても同様の平行線維シナプス形成障害が起こった(Hirai et al., Nature Neuroscience, 8:1534-1541,2005)。従って、これら2つの分子機構が協同して、‘平行線維シナプスの強化と維持'に関与していることが明らかとなった。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (20件)
Mol.Cell.Neurosci. (in press)
J.Comp.Neurol. (in press)
J.Neurosci.Methods (in press)
Proc.Natl.Acad.Sci.USA (in press)
EMBO report 6
ページ: 90-95
J.Comp.Neurol. 484
ページ: 249-259
Glia 52
ページ: 47-52
Eur.J.Neurosci. 21
ページ: 1432-1436
J.Neurosci. 25
ページ: 2143-2156
ページ: 8788-8793
Genes to Cells 10
ページ: 785-792
Neuron 47
ページ: 201-213
J.Neurochem. 95
ページ: 294-304
Epilepsia 46
ページ: 152-158
Eur.J.Nerosci. 22
ページ: 1445-1455
ページ: 9213-9226
Neurosci.Res. 53
ページ: 376-383
ページ: 9782-9793
Nature Neurosci. 8
ページ: 1534-1541
Biomed.Res. 26
ページ: 271-278