研究課題
本研究では、活動依存的な競合を基盤とするシナプス回路の強化と除去を決定する分子機構を解明することを目的とする。これにより、異種入力間(小脳)と同種入力間(大脳)の競合によるシナプス回路発達の共通原理の解明を目指す。平成18年度において、シナプス活動依存的な基盤となる情報伝達分子であるホスフォリパーゼCβ(PLCβ)、AMPA型グルタミン酸受容体の調節分子であるTARP-g8、小脳シナプス形成制御分子であるCbln1を含む分子ファミリーなどの遺伝子発現と分子局在等を明らかにした。その結果、PLCβ3はPLCβ4の発現が弱い小脳後葉のプルキンエ細胞に選択的に発現し、樹状突起や棘突起に加え軸索にも発現分布していた。この事実は、この2つのPLCサブタイプが小脳情報伝達に関与する効果器酵素であることを示した。TARP-g8は大脳皮質や海馬などの終脳に強く発現し、シナプス膜および非シナプス膜の両方に発現していることを明らかにした。さらに、その遺伝子欠損により海馬のAMPA受容体の発現とシナプス応答が著明に減少した。したがって、この分子が海馬の興奮性シナプス伝達を担う制御分子であることが明らかになった。Cbln1と3は小脳に豊富であるが、Cbln1,2,4は小脳以外にも発現しそれぞれ異なる脳内発現をしていることが明らかとなった。従って、小脳以外のシナプス形成にもCblnファミリーが関与している可能性が示唆された。
すべて 2007 2006
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