研究概要 |
本研究では、i)CaMKファミリーによるCREB転写制御機構を介したシナプス機能調節とともに、ii)神経アクチン細胞骨格再編成によるシナプスリモデリングに至る機構の解明を目指している。 本年度の研究により、以下のことが明らかどなった。 1.前年度にCREB転写を負に制御する活性を有していることが明らかになったDCLK2/CLICK-IIの性状についてさらに解析を深めた(Fuse, et. al.UCSD-Nature/Molecule Pages,2007)。さらに、ノックアウトマウスを作成し、DCLK2発現の高い脳部位(嗅球および海馬)における表現型を解析中である。 2.CLICK-III/CaMKIgammaが2重脂質(イソプレニル化とパルミトイル化)により樹状突起に豊富な脂質ラフトに移行することが可能なため、BDNF依存的なアクチン再編成を介した樹状突起伸展を引き起こすという作用を解明した(Takemoto-Kimura, et. al.Neuron 2007)。本成果の一部は、「分子脳」の三品昌美班員、星野幹雄班員との共同である。 3.プルキンエ細胞培養系を用いて、ShankのPSD局在が活動依存的にダイナミックに制御されていることを明らかにした(Fuse and Bito,投稿準備中)。 4.「統合脳」若森実班員との共向で、シナプス終末のアクティブゾーン成熟にRIMlaと電位依存性カルシウムチャンネルの相互作用がきわめて重要であることを発見した(Kiyonaka, et. al.Nature Neurosci.2007)。
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