研究課題/領域番号 |
17023019
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
五十嵐 道弘 新潟大学, 医歯学系, 教授 (50193173)
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研究分担者 |
渡部 通寿 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40303127)
野住 素広 新潟大学, 医歯学系, 助教 (00420323)
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キーワード | プロテオーム / 成長円錐 / カルシウム / RNAi / シンタキシン |
研究概要 |
成長円錐とシナプス伝達の研究を行い、以下の結果を得た。 1) 成長円錐のプロテオミクスに基づく分子の濃縮、RNAiの結果から17種類の分子マーカー候補を確立した。これらの局在を検討し、C, P-ドメインでの局在を確定した。 2) 成長円錐の分子間相互作用を検討し、膜蛋白質M6aの下流を明らかにした。すなわち、M6aは結合蛋白質を同定し、この分子はさらに低分子量G蛋白質と結合した。この3者の複合体は実際に蛋白質複合体を形成し、M6aのみでは多数突起を出したが、下流の複合体を形成させることで、M6aから長い突起が出ることが証明された。よってM6aは極性を発現するために、下流複合体を形成する必要があることが明らかとなった。 3) 成長円錐を強力に抑制する因子であるコンドロイチン硫酸の合成酵素の1つ、GalNAcT-1のノックアウトマウスを作成し、解析した。この酵素の発現が強い、骨端軟骨と脳の皮質の厚さに影響が見られた。 4) シナプス伝達に関与するsyntaxin-1Aのノックインマウスを解析した。その結果、電気生理学的検索と電子顕微鏡的検索、行動学的検索でそれぞれ異常が見られた。細胞生物学的にはシナプス小胞のリサイクリングの顕著な遅延が認められ、またCaMKIIとsyntaxin-1Aの相互作用は大幅に低下した。Syntaxin-1Bのノックインマウスはホモ致死の可能性が高いため、その原因を解析することとした。
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