研究課題
1)Inositol-monophosphataseをコードするttx-7遺伝子の変異体では、シナプス局在が異常になる。イノシトールを介したシナプス局在機構を解明するために、ttx-7変異体の異常を抑圧する変異体のスクリーニングを行い、数種類の変異体候補を得た。その中の1つを遺伝学的に解析したところ、Phospholipase Cbetaをコードする遺伝子(eg1-8)の変異体であることが示唆された。2)顕著な温度走性異常を示すttx-8変異体において、異常をきたしている原因遺伝子は、N末端側に複数のtransmembrane domainを持ち、C末端側に複数のcoiled coil domainを持つ機能が未知であるが、線虫からヒトに至るまで高度に保存されているタンパク質をコードしていた。TTX-8は神経細胞の細胞内小器官に局在していることが示唆されたため、Hela細胞においてTTX-8を発現させたところ、オルガネラの標識マーカーと共局在していることが観察された。TTX-8と相互作用するタンパク質をコードする遺伝子を探索したところ、タンパク質の小胞体からゴルジ体への輸送に関与する遺伝子ホモログなどが同定されてきた。今後、これらの候補について解析を進める予定である。3)温度と餌条件の学習異常を示すaho-3変異体における原因遺伝子は、ヒトから細菌まで高度に保存されている加水分解酵素をコードしているが、その機能については、まったく未知である。AHO-3の温度学習に関する複数の機能細胞の中にAWC神経細胞が含まれていた。そこで、AWCの匂い受容や温度受容の機能に重要な因子であるODR-3 Gタンパクの変異体の温度学習を解析したところ、aho-3変異体と同様の温度学習異常を示し、また、PKGの変異体も、温度学習異常を示すことが明らかになった。
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