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2006 年度 実績報告書

体液塩濃度恒常性制御の脳内機構

研究課題

研究課題/領域番号 17024056
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

野田 昌晴  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)

研究分担者 檜山 武史  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 助教 (90360338)
渡辺 英治  基礎生物学研究所, 神経生理学教室, 准教授 (30250252)
キーワード細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / 生理学 / 体液恒常性
研究概要

本研究では体液Naレベルの検出と制御の脳内メカニズムを明らかにすることを目標としている。本年度の研究成果は以下の通りである。
(1)NaレベルセンサーNa_xと結合する分子
Na_xの細胞内領域と相互作用する分子を酵母two-hybrid法により探索し、Na^+,K^+-ATPaseのα1サブユニットを同定した。α1の第3細胞内ループがNa_xのC末領域と結合すること、免疫共沈実験及び細胞内局在の解析から、両者は脳室周囲器官のグリア細胞の膜内において共局在していることが判明した。
(2)機能的Na_x発現系の開発
C6グリオーマ細胞にTet-Off発現系を用いてNa_xの機能的発現に成功した。Na_x発現C6細胞は、細胞外Na濃度の上昇に応答して、nativeなNa_x陽性細胞と同等のNaイオン流入による細胞内Naレベルの上昇を示した。この系を用いて、Na_xのNa^+,K^+-ATPaseへの結合がNa^+,K^+-ATPaseの活性化に必須の役割を果たしていることが判明した。
(3)Na_xとNa^+,K^+-ATPase間の結合の生理的意味
Na^+,K^+-ATPaseのみを発現するC6細胞では、Naイオノフォアであるmonensinによって細胞内Naレベルを高めても、Na^+,K^+-ATPaseは活性化せず、その結果としてグルコース取り込み量も上昇しない。Na^+,K^+-ATPaseはNa_xと相互作用している状態で初めて細胞内Naイオン流入に応答して活性化するものと考えられる。野生型マウスから単離した脳室周囲器官では、細胞外のNa濃度を生理的な145mMから170mMに上げると、Na_x陽性のグリア細胞においてグルコース取り込みが上昇するのに対し、Na_x遺伝子欠損マウス由来の組織や細胞ではこの応答が見られないことが判明した。また、Na_x陽性のグリア細胞のグルコース代謝が活性化した状態では、細胞からの乳酸の産生、放出の増加が起きていることが確認された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Glial Na_x channels control lactate signaling to neurons for brain [Na^+] sensing2007

    • 著者名/発表者名
      Shimizu et al.
    • 雑誌名

      Neuron 54

      ページ: 59-72

  • [雑誌論文] Hydromineral neuroendocrinology : Mechanism of sensing sodium levels in the brain.2007

    • 著者名/発表者名
      Noda, M.
    • 雑誌名

      Experimental Physiology 92

      ページ: 513-522

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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