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2008 年度 実績報告書

体液塩濃度恒常性制御の脳内機構

研究課題

研究課題/領域番号 17024056
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

野田 昌晴  基礎生物学研究所, 統合神経生物学研究部門, 教授 (60172798)

キーワード細胞・組織 / 神経科学 / 脳・神経 / 生理学 / 体液恒常性
研究概要

1. AngII受容体であるArla遺伝子にレポーター遺伝子としてLacZをKnock-inしたATla-LacZマウス(ATla Lacz/+)を用いて脳弓下器官(SFO)における細胞レベルの解析を行った。ATlaはNaxが発現するグリア細胞ではなくニューロンに発現していたことから、グリア細胞内において情報統合は行われていないと考えられた。さらにNaxが発現するグリア細胞がその活動を制御するGABAニューロンにおいてもArlaの発現は見られなかった。以上の結果から、Nax-KOでは脱水時においてもNax発現グリア細胞からGABAニューロンを介したSFOニューロンの活動抑制が掛からないが、それは、塩分摂取を亢進するArla発現ニューロンが活性化しているためと考えられる。今後Nax-KO ; ATla Lacz/+を作製し、脱水時のSFOにおけるArla発現ニューロンにおける神経活動活性の解析を行う。
2. ATla Lacz/+マウスに対して利尿剤を投与してNa+欠乏状態を誘導し、塩分嗜好性を惹起させたときのSFOにおける神経活動活性を解析したところ、活性化したニューロンのほとんどがATla発現ニューロンであった。以上の結果、SFOに存在するATla発現ニューロンが塩分摂取行動制御を担うニューロンであると考えられた。今後ATla遺伝子およびAngiotensinogen遺伝子を特異的に欠損させたマウスを作製し、塩分摂取におけるSFOでのAngII/Arla系の役割を明らかにする。
3. SFOから順向性標識を行い、いくつかの投射先を同定した。今後、それぞれの場所へのSFOにおける投射ニューロンを同定していく予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Protein tyrosine phosphatase receptor type Z dephosphorylates TrkA receptors and attenuates NGF-dependent neurite outgrowth of PC12 cells2008

    • 著者名/発表者名
      Shintani, T. & Noda, M.
    • 雑誌名

      J. Biochem. 144

      ページ: 259-266

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Plasmin-mediated processing of protein tyrosine phosphatase receptor type Z in the mouse brain2008

    • 著者名/発表者名
      Chow, et.al.
    • 雑誌名

      Neurosci. Lett. 442

      ページ: 208-212

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Metalloproteinase- and γ-secretase-mediated cleavage of protein tyrosine phosphatase receptor type Z2008

    • 著者名/発表者名
      Chow, et.al.
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem. 283

      ページ: 30879-30889

    • 査読あり
  • [学会発表] 体液Naレベルの脳内感知機構2008

    • 著者名/発表者名
      檜山武史、野田昌晴
    • 学会等名
      第26回内分泌代謝学サマーセミナー
    • 発表場所
      常滑
    • 年月日
      20080711-12
  • [学会発表] Brain Na-level sensing and control of salt-intake behavior mediated by lactate signaling2008

    • 著者名/発表者名
      Hiyama, et.al.
    • 学会等名
      第31回日本神経科学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080709-11
  • [学会発表] Distribution of FOS-positive neurons in the mouse subfornical organ2008

    • 著者名/発表者名
      Nagakura, et.al.
    • 学会等名
      第31回日本神経科学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20080709-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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