研究概要 |
トリペプチド仮説によって遊離されるとされるtripeptideに関しては、1.LC/Ms.Msによって同定・定量を行い、2.それらの数値を産生されるAβ40,Aβ42と対応させ、3.さらに有利ペプチド量のタイムコースから切断の時系列を明らかにする、ことを目的とした。測定に用いる系としてはCell-free system, Solubilized system, Raft systemの3つを検討する。 Cell-free systemは培養細胞から膜画分を調製したもの;Solubilized systemはγセクレターゼを可溶化し、部分精製したものを用いる;Raft systemはDAPT処理でAβ46を膜内に溜め込みそれからraftを精製し、如何にAβ40が産生されるかを検討できる系、である。Cell-free systemが最もnativeに近いのだが、それだけに複雑で解析に手間取っている。その点後2者はかなり単純化された系であり、解析はそれほど困難ではないと考えられる。これまでにcell-free系に関して得られた結果は、1.37℃の加温で遊離が想定されるtripeptideが著増する、2.この増加はγセクレターゼの特異的阻害剤、L685,458を反応系に加えることにより顕著に阻害される、こがわかった。ただし、各tripeptide定量、とくにIAT,には問題があり、その解決を試みている。今後はsolubilized system, raft systemを同時並行で解析してゆく予定である。
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