研究課題
アルツハイマー病(AD)の病理学的な特徴は、アミロイドβペプチド(Aβ)を主成分とする老人斑の蓄積である。近年の遺伝・分子生物学研究からもAβがAD発症原因として認識され、その生成と蓄積過程の解明はADの発症機構の解明と治療法の確立に直結すると期待されている。このAβは前駆体膜タンパク(APP)に対するβならびにγセクレターゼと呼ばれる膜プロテアーゼによる2段階の切断により生成されることが明らかとなっている。我々は、特に後半のγセクレターゼの阻害剤と切断機構の解明がADの有効な治療ターゲットに直結すると考え、研究を展開している。今年度は、本研究代表者が保有する生理活性天然有機化合物の合成中間体を含む数多くの低分子合物ライブラリーのアッセイを行った。その約400個の化合物のハイスループットスクリーニングの結果in vitroの実験において、Elan社の報告しているγセクレターゼ阻害剤DAPTの10分の1程度の活性を有している化合物を2個見いだすことに成功した。これらの好成績を収めた化合物は、トランスジェニックマウスなどの動物実験の投与に進むことで創薬への展開が期待されるが、それだけでなく機能解明のためのプローブ研究へも展開する予定である。このプローブ研究についても、リガンド分子から簡便にプローブを合成可能な方法論の開発の開発にも成功している。この方法は、プローブのライブラリーを構築することも可能となる
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Synlett
ページ: 115
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