• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2005 年度 実績報告書

脆弱X症候群遺伝子FMR1の解析を通して知る神経機能発現ネットワーク

研究課題

研究課題/領域番号 17025028
研究機関徳島大学

研究代表者

塩見 美喜子  徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (20322745)

キーワードFMR1 / 精神遅滞 / RNA / 翻訳抑制 / P-body / RNAi / microRNAs / ショウジョウバエ
研究概要

脆弱X症候群は最も頻度の高い遺伝性精神遅滞症でありFMR1遺伝子内CGGリピートの伸長によるFMR1遺伝子の転写阻害を起因とする。FMR1はRNA結合蛋白質であり、特定のmRNAを細胞質loci(Stress Granule様)に集積することによってその翻訳抑制を促していると考えられている。翻訳抑制の標的mRNAや分子メカニズムは未だ解明されていない。我々は、脆弱X病態モデル動物として、ショウジョウバエFMR1相同遺伝子(dFMR1)の欠損体を作製し、この変異体が概日リズムの異常、記憶障害、性行動異常を示すこと、生化学的な解析から、dFMR1がRNAi必須因子AGO2や、性行動調節遺伝子lingererと相互作用することを明らかにした。最近、ヒト細胞において、RNAiやmicroRNAによる遺伝子発現抑制はP-bodyと呼ばれる細胞質lociで起こることが示された。ショウジョウバエ細胞においてもAGO2やlingerer、dFMR1が細胞質中の特定の同一lociに局在する事を明らかにした。これがショウジョウバエStress Granule様lociあるいはP-bodyに相当するか、現在解析している。ヒトP-bodyマーカー分子として知られるGW182のショウジョウバエ相同体はmicroRNA機構必須因子AGO1に特異的に結合する。GW182はUSBドメインとRNA結合性ドメインを一つずつ有する。Lingererも、GW182とのアミノ酸配列上の相同性は低いもののUSBドメインとRNA結合性ドメインを一つずつ有する。今後、dFMR1による標的mRNAの翻訳抑制と、AGO2-RNAi機構による遺伝子発現抑制の関係やmicroRNA依存的遺伝子発現抑制との相違性などを明らかにする。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (8件)

  • [雑誌論文] Slicer function of Drosophila Argonautes and its involvement in RISC formation.2005

    • 著者名/発表者名
      Keita Miyoshi et al.
    • 雑誌名

      Genes & Development 19

      ページ: 2837-2848

  • [雑誌論文] A potential link between transgene silencing and poly(A) tails2005

    • 著者名/発表者名
      Mikiko C.Siomi et al.
    • 雑誌名

      RNA2005 11

      ページ: 1004-1011

  • [雑誌論文] Processing of pre-microRNAs by the Dicer-1-Loquacious complex in Drosophila cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Kuniaki Saito et al.
    • 雑誌名

      Plos Biology 3・7

      ページ: e235-1202-1212

  • [雑誌論文] dentification of components of RNAi pathways using the Tandem Affinity Purification (TAP) method.2005

    • 著者名/発表者名
      Mikiko C.Siomi et al.
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology 2005 309

      ページ: 1-9

  • [雑誌論文] In vitro precursor microRNA processing assays using Drosophila Schneider-2 cell lysate.

    • 著者名/発表者名
      Akira Ishizuka et al.
    • 雑誌名

      Methods in Molecular Biology (In press)

  • [図書] RNA工学の最前線2005

    • 著者名/発表者名
      三好啓太ら
    • 総ページ数
      11
    • 出版者
      シーエムシー出版
  • [図書] 化学と生物2005

    • 著者名/発表者名
      春原隆史ら
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      学会出版センター
  • [図書] Bio Clinica2005

    • 著者名/発表者名
      齋藤都暁ら
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      北隆館
  • [図書] Bio Clinica2005

    • 著者名/発表者名
      三好啓太ら
    • 総ページ数
      7
    • 出版者
      北隆館
  • [図書] 実験医学2005

    • 著者名/発表者名
      齋藤都暁ら
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      羊土社
  • [図書] RNAi法とアンチセンス法2005

    • 著者名/発表者名
      石塚明ら
    • 総ページ数
      12
    • 出版者
      講談社
  • [図書] RNAi法とアンチセンス法2005

    • 著者名/発表者名
      三好啓太ら
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      講談社
  • [図書] Pediatric Nutrition in Chronic Diseases and Developmental Disorders-Prevention, Assessment, and Treatment-2nd Edition.2005

    • 著者名/発表者名
      Nelson D.et al.
    • 総ページ数
      3
    • 出版者
      Oxford university Press, New York.

URL: 

公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi