研究課題
1.患者脳に蓄積するタウ、αシヌクレインのプロテアーゼ耐性領域の解析と凝集機構の解明アルツハイマー病(AD)、ピック病(PiD)、皮質基底核変性症(CBD)、進行性核上性麻痺(PSP)、FTDP-17患者剖検脳から線維化したタウを含むSarkosyl不溶性画分を高濃度のトリプシンで処理し、電気泳動しPVDF膜に転写後、プロテアーゼに耐性を示すフラグメントをCBB染色、及び各種部位に対するリン酸化依存性、非依存性タウ抗体を用いて免疫化学的解析を行った。その結果、AD、PiD、CBD、PSP、FTDP-17でそれぞれ異なるバンドパターンが検出された。また抗体を用いた解析からいずれも微小管結合部位を含む領域からなることが示された。同じ4リピートタウが蓄積するCBDとPSPにおいてもプロテアーゼに耐性バンドのパターンは異なっていた。2.タウ、αシヌクレインの凝集阻害剤の検索とその阻害機構の解明抗Aβ、抗プリオン凝集阻害作用などが報告されている低分子化合物などをふくむ79化合物について、タウ、αシヌクレイン、及びAβの線維化抑制効果の検討を行った。大腸菌で発現したタウ、αシヌクレインを高度に精製し、化合物と共に37度で3〜5日程度インキュベートした後、線維化したものを定量して阻害活性を調べた。凝集タンパクの検出は電子顕微鏡による観察、チオフラビンSの蛍光強度測定、及びサルコシル不溶性蛋白質の検出の3つの方法で行った。その結果、いくつかの種類の化合物にタウ、αシヌクレイン、Aβの線維化阻害する強い効果が観察された。阻害されたものの可溶性画分にはSDS安定なオリゴマーの形成が共通にみられ、阻害化合物がオリゴマーに働いて安定化する機序が示唆された。また阻害剤存在下で形成されたシヌクレインのオリゴマーに細胞毒性は観察されなかった。
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