私達は、大腸菌の翻訳因子やリボソームを完全に精製し、再構築したPURE(Protein synthesizing system Using Recombinant Elements)システムを完成させることに成功している。PUREシステムによって翻訳のすべてのプロセスを、試験管のなかで行うことが可能であるばかりではなく、すべてのプロセスのスナッブショットを取ることが可能である。本研究では、RF1とRF2による終止コドンのデコーディングの機構をPUREシステムにより明らかにすることを目標としている。PUREシステムを用いた実験系によって、RF1とRF2の、ペブチドアンチコドン部位に変異を導入し、これらのRFの終止コドンの解読の特性を解析した。その結果、これらのペプチドアンチコドンの領域は、終止コドンの解読特性には関与しないことが示唆された。また、RRFは、翻訳終結後のリボソーム・訳NA複合体を解消のプロセスの解析を行った。その結果、RRFは、リボソームを樹来考えられていた30S、50Sの解離した形ではなく、70Sの状態で解離させることが示された。また、この終結プロセスにおいて、サブユニットの会合の安定性にスペルミジンなどのポリアミンが重要であることが示唆された。さらに、PURE systemを用いて、trans-translationのメカニズム解明を行い、smpBがtmRNAのコドンアンチコドンの相互作用を機能的に補う働きがあることが示された。
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