研究課題
(1)hnRNP D/hnRNP A1タンパク質によるテロメア長制御の構造基盤mRNAのプロセッシングやテロメアDNAの維持等への関与が実証ないしは示唆されているhnRNP Dタンパク質に関し、テロメアDNAとの複合体のNMRによる構造決定を完了した。これによりhnRNP DがテロメアDNAを特異的に認識するメカニズムが解明された。我々はhnRNP Dは、DNAの誤ったフォールド(4重鎖構造)を正しいフォールド(1本鎖構造)へ変換する、あたかもDNAに対する分子シャペロン(DNAシャペロン)として機能しているという事を提唱した。そこで今回HeLa細胞にsiRNAを作用させる事でhnRNP Dの発現を抑制したところ、テロメアDNAの一本鎖領域の短小化がみられた。この結果は、hnRNP DがDNAシャペロンとして機能していることを強く示唆している。(2)Musashiタンパク質の2つのRNA結合ドメインによる標的RNA認識機構の解明Musashiタンパク質は、標的遺伝子のmRNAに結合して翻訳を阻害する事で、分化における神経細胞の非対称分裂を制御している。これまでに2つのRNA結合ドメインの立体構造及びRNAとの相互作用様式を決定した。今回標的RNA存在下と非存在下における2つのRNA結合ドメインの配置を、残余双極子結合を用いる事によって決定した。これにより標的RNAの認識に関する動的および静的な情報を得た。(3)HlV Tatタンパク質に対するアプタマーによるTatタンパク質捕捉メカニズムの解明HIVの病因性タンパク質であるTatに対するRNAアプタマーに関し、Tatのアナログとの複合体の構造を決定してきた。今回さらによりリアリスティックなTatのアナログペプチドとの複合体の構造を決定した。
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Nucleosides, Nucleotides and Nucleic Acids (in press)
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