研究課題/領域番号 |
17026013
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
廣瀬 豊 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (00218851)
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研究分担者 |
大熊 芳明 富山大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (70192515)
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キーワード | 転写 / RNAプロセシング / RNAポリメラーゼII / リン酸化 / ノックアウト / フォスファターゼ |
研究概要 |
RNAポリメラーゼII(Pol II)最大サブユニットカルボキシル末端領域(CTD)は、転写中にダイナミックなリン酸化-脱リン酸化調節を受けることによって、RNAプロセシング因子やヒストン修飾酵素の転写部位への集合を制御する足場として機能している。本研究は、脊椎動物細胞において転写とRNAプロセシング過程を協調的に制御している分子メカニズムを解明するために、CTDのリン酸化および構造変換を調節している因子である我々が近年同定した新規リン酸化CTD結合因子PCIF1、および酵母CTDフォスファターゼSsu72の脊椎動物オルソローグの機能を解析することを目的としている。本年度は昨年度に引き続き、それぞれの遺伝子のトリB細胞株DT40を用いたノックアウトによる解析を行い次のような結果を得た。(1)今回DT40野生株を出発細胞株としてトリPCIF1遺伝子ホモノックアウト細胞株を新たに樹立し解析を行った。その結果これまでに我々が観察していることと同様に、ノックアウト細胞においてはトリプロリルイソメラーゼPin1の発現が亢進していること、細胞へのUV照射によるリン酸化Pol II特異的な分解が促進することが観察された。(2)3種類の独立したSsu72遺伝子コンディショナルノックアウト細胞株を樹立した。これらの細胞株を用いた解析から、トリSsu72は細胞生育に必須の因子であること、またトリU4 snRNA遺伝子の3'末端生成に関与している可能性が示唆された。一方出芽酵母の場合とは異なり、Ssu72ノックアウトによって細胞全体のPol II-CTDのリン酸化の程度は大きく影響されなかった。このことからSsu72は、少なくともトリ培養細胞においては主要なCTD脱リン酸化酵素ではなく、Ssu72以外のCTD脱リン酸化酵素が細胞内で機能している可能性が示唆された。
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