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2006 年度 実績報告書

核内に存在する成熱体tRNAの生理的意義の解析III

研究課題

研究課題/領域番号 17026015
研究機関名古屋大学

研究代表者

吉久 徹  名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 助教授 (60212312)

キーワード核酸 / 微生物 / 核 / 細胞内局在化 / tRNA / スプライシング
研究概要

本年度は、核内の成熟体tRNAの生理的機能の解明と、tRNAの核内輸送の機構解明に向けて、核内輸送に関わる因子の同定を中心に研究を展開した。特に、遺伝学的にtRNAの核内輸送関連因子を探索する目的で、Δlos1 Δmsn5二重変異株の示す核への成熟体tRNAの蓄積を軽減する抑圧変異の単離、tRNA-Metの不安定化を引き起こすtRNAメチル化酵素遺伝子変異trm6-504とΔlos1変異とが示す合成致死性を抑圧する変異の単離を行った。この中で、前者のスクリーニングからΔlos1 Δmsn5株におけるtRNAの核内蓄積が低減する温度感受性変異株が2株、trm6-504 Δlos1合成致死性の抑圧変異株が4株取得できた。後者の4株の内にはΔlos1変異であるにもかかわらず、核内の成熟体tRNA-Pro量が明らかに野生型レベルまで下がっている株が3種含まれていることがFISH解析で明らかとなった。これらのことは、単離された変異株においてtRNA-Metの分解回避による生育の回復と、tRNAの核への輸送量の低下・核外への輸送の亢進に密接な関連があることを示唆している。現在、こうした表現型を引き起こす変異原遺伝子の同定を進め、tRNA分解とtRNAの核内輸送の関連について解析を進めている。
さらに、本研究では、細胞内での新たなRNAの検出方法の検討を行い、RNAの3'末端の数塩基分の配列の違いを識別してその局在を観察できるOligonucleotide-directed 3'-terminal extension of RNA法(OTTER法)を開発した。この方法によって、tRNAのCCA末端の短縮化を引き起こすcca1-1変異株中において、正常なtRNAは細胞質に留まるが、3'末端の短縮化したtRNAが特異的に核内に運ばれることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Cytoplasmic splicing of tRNA in Saccharomyces cerevisiae2007

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshihisa*, C.Ohshima, K., Yunoki-Esaki, T.Endo
    • 雑誌名

      Genes to Cells 12

      ページ: 285-297

  • [雑誌論文] tRNA, new aspects in intracellular dynamics2006

    • 著者名/発表者名
      T.Yoshihisa
    • 雑誌名

      Cell. Mol. Life Sci. 63

      ページ: 1813-1818

  • [雑誌論文] tRNAの成熟化と細胞内ダイナミクス-tRNAの一生における新展開2006

    • 著者名/発表者名
      吉久徹
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素増刊「RNAと生命」 51

      ページ: 2568-2573

  • [雑誌論文] 核内tRNAの生理的意義2006

    • 著者名/発表者名
      吉久徹, 高野晃, 遠藤斗志也
    • 雑誌名

      蛋白質核酸酵素増刊「細胞核の世界」 51

      ページ: 2232-2234

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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