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2005 年度 実績報告書

Dicer蛋白質の機能ドメイン分析とその機能分化の進化的解析

研究課題

研究課題/領域番号 17026025
研究機関神戸大学

研究代表者

中屋敷 均  神戸大学, 農学部, 助教授 (50252804)

キーワードRNAサイレンシング / RNAi / Dicer / 糸状菌
研究概要

RNAサイレンシングは、ほとんどの真核生物に広く保存されている配列特異的な遺伝子発現抑制機構であり、比較的最近その機構が明らかとなり、現在の生命科学分野で最も注目を集めている現象の一つといえる。Dicer蛋白質はそのRNAサイレンシング経路の鍵酵素であり、塩基配列特異的な情報を伝達するための20-26bp程度のsiRNAと呼ばれる小さなRNAの生成を担う機能を持っている。
本研究では、糸状菌であるイネいもち病菌ゲノムに存在する二つのDicer様蛋白質MDL1とMDL2の機能分化の解析と他の生物由来のDicer蛋白質がいもち病菌で機能するかという進化的な保存性を調査することを目的とした。いもち病菌では、ゲノム遺伝子の破壊実験によりMDL2のみがRNAサイレンシング経路に関与していることが示されているが、MDL2破壊株でMDL1 cDNAを強発現させると効率は低いものの部分的にRNAサイレンシングを相補することが明らかとなった。このことからMDL2で内在性のMDL1がRNAサイレンシングを相補できないことは、何らかの抑制的な機構が働いていることが示唆された。MDL1の転写産物を調査した所、通常の栄養成長状態ではMDL1の第一イントロンがスプライシングされておらず途中で終止コドンが生じる転写産物が主要なmRNAとして生産されていることが明らかとなった。このintron保持機構がMDL1が通常MDL2の機能を相補できない理由と考えられた。
また、MDL2破壊株に、アラビドプシスのDicer様蛋白質であるDCL1およびDCL3、またショウジョウバエ由来のDCR1,DCR2を強発現させたが、いずれの形質転換体もサイレンシングが回復せず、これらの蛋白質は進化的に離れており、直接的な相補はしないものと考えられた。今後、Dicer蛋白質間の組換え体などを作製し、どのドメインが種の特異性を決定しているのか調査する予定である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2005 その他

すべて 雑誌論文 (5件)

  • [雑誌論文] The C-terminal chromodomain-like module in the integrase domain is crucial for high transposition efficiency of the retrotransposon MAGGY2005

    • 著者名/発表者名
      Nakayashiki, H.et al.
    • 雑誌名

      FEBS letters 579

      ページ: 488-492

  • [雑誌論文] RNA silencing as a tool for exploring gene function in Ascomycete fungi2005

    • 著者名/発表者名
      Nakayashiki, H.et al.
    • 雑誌名

      Fungal Genet.& Biol. 42

      ページ: 275-283

  • [雑誌論文] RNA silencing in fungi : Mechanisms and applications2005

    • 著者名/発表者名
      Nakayashiki H
    • 雑誌名

      FEBS letters 579

      ページ: 5950-5957

  • [雑誌論文] Evolution and diversification of RNA silencing proteins in fungi

    • 著者名/発表者名
      Nakayashiki, H.et al.
    • 雑誌名

      J.Mol.Evol In press

  • [雑誌論文] Specific cleavage of ribosomal RNA and mRNA during victorin-induced apoptotic cell death in oat

    • 著者名/発表者名
      Hoat, T.et al.
    • 雑誌名

      Plant J. In press

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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