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2006 年度 実績報告書

真核細胞再構成翻訳系の樹立:翻訳におけるストレス反応機構研究のために

研究課題

研究課題/領域番号 17026039
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

今高 寛晃  独立行政法人理化学研究所, タンパク質構造研究チーム, 上級研究員 (50201942)

キーワード翻訳 / 翻訳開始 / タンパク質合成 / eIF / 翻訳開始因子 / eIF3 / 再構成 / バキュロウイルス
研究概要

eIF3は真核細胞の翻訳因子では最大(650kDa)の翻訳開始因子であり、11個の異なるサブユニット(eIF3a, eIF3b, eIF3c, eIF3d, eIF3e, eIF3f, eIF3g, eIF3h, eIF3i, eIF3k, eIF3l)から構成されている。eIF3は翻訳開始に必須であり、中心的役割を果たしている。特にストレス状況下における翻訳制御に関わっていることが知られている。しかし、各々のサブユニットが何をしているのか、どのサブユニットがeIF3のコアを形成しているのか不明であった。そこで我々はヒトのeIF3の再構成を行い各サブユニットの解析を行った。
方法はバキュロウイルスによる共発現システムを用いた。三つまたは四つのサブユニットを発現するバキュロウイルスを三つ作製した。これらのウイルスを昆虫細胞に同時に感染させることにより、11個のサブユニットを同時に細胞内で発現させ、細胞抽出液から組み換え体eIF3を精製した。このようにして得られたeIF3はHeLa細胞などから精製された内因性eIF3と同じ組成と同じ活性を有していた。
次にどのサブユニットがeIF3の構造と機能に必要なのかを調べた。任意の一つのサブユニットを欠損したeIF3の作製を試み、その活性を測定した。11個のサブユニットの中で、eIF3d, eIF3g, eIF3i, eIF3k, eIF3lサブユニットはそれぞれ欠損させてもeIF3は構造を維持し、また活性にも大きく影響を与えなかった。従って、これら五つのサブユニットは必須でないことがわかった。残りの六つのサブユニットeIF3a, eIF3b, eIF3c, eIF3e, eIF3f, eIF3hは欠損させることができなかった。最後にこれらの六つのサブユニットで活性のあるeIF3を作製することに成功した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] An improved cell-free system for picornavirus synthesis2007

    • 著者名/発表者名
      Tominari Kobayashi
    • 雑誌名

      J. Virological Methods (In press)

  • [雑誌論文] A hybridoma-based in vitro translation system that efficiently synthesizes glycoproteins2006

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Mikami
    • 雑誌名

      J. Biotechnology 127

      ページ: 65-78

  • [雑誌論文] An efficient mammalian cell-free translation system supplemented with translation factors2006

    • 著者名/発表者名
      Satoshi Mikami
    • 雑誌名

      Protein Expression and Purification 46

      ページ: 348-357

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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