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2006 年度 実績報告書

ABCトランスポータによる植物ホルモン極性輸送の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 17027016
研究機関京都大学

研究代表者

矢崎 一史  京都大学, 生存圏研究所, 教授 (00191099)

キーワードABCトランスポータ / オーキシン / 極性輸送 / 膜輸送 / 表皮細胞 / 重力屈性 / AtPGP4 / AtPGP21
研究概要

ABCトランスポーターは高等植物において大きな遺伝子ファミリーを形成し、シロイヌナズナでは123種の遺伝子が見いだされている。本研究においては、シロイヌナズナに22種類存在するABCBタイプのトランスポーターの内、AtPGP4(AtABCB4)とAtPGP21(AtABCB21)を取り上げ、これらが植物体におけるオーキシンの軸方向への移動にどのように関与しているか、分子レベルでその輸送能を解明することを目的とした。
これまで、AtPGP4が根端と根の表皮細胞で強く発現し、IAAの根端からの求基的輸送に関与することを明らかにした。今年度は、AtPGP4と最も相同性の高い類似遺伝子AtPGP21に関して解析を行った。Promoter::GUS植物体の解析により、AtPGP21はAtPGP4の発現が全く見られない根の中心柱で発現していたが、それが内鞘細胞特異的であることが明らかになった。根以外では、葉や花弁など側方器官の付け根で強く発現していた。また幼植物体に限っては葉肉細胞でも強い発現が認められた。このタンパク質に特異的なペプチド抗体を作製して、膜の分画とウエスタンブロットにより局在膜を調べた所、細胞膜局在であることが明らかとなった。シロイヌナズナの膜画分を用いて検出されたバンドは140kDaであり、糖鎖などの修飾はないものと思われた。
IAA感受性の酵母変異株を用いて、AtPGP21を発現させ、AtPGP21のオーキシン輸送機能の解析をIAAの感受性試験にて行った。その結果、コントロールに比べ、AtPGP21を発現させた形質転換酵母株は、それぞれIAAおよびIAAアナログの5-FI存在下でより高い感受性を示した。このことは、AtPGP21がAtPGP4と同様、取り込み方向にIAA分子を輸送していることを示唆している。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (6件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Bowman-Birk proteinase inhibitor confers heavy metal and multiple drug tolerance in yeast2007

    • 著者名/発表者名
      Shitan, N.
    • 雑誌名

      Plant Cell Physiology 48(1)

      ページ: 193-197

  • [雑誌論文] Human MDR1 and MRP1 recognize berberine as their transport substrate.2007

    • 著者名/発表者名
      Shitan, N.
    • 雑誌名

      Bioscience, Biotechnology, Biochemistry 71(1)

      ページ: 242-245

  • [雑誌論文] Genome-wide analysis of ATP-binding cassette (ABC) proteins in a model legume plant, Lotus japonicus : comparison with Arabidopsis ABC protein family2006

    • 著者名/発表者名
      Sugiyama, A.
    • 雑誌名

      DNA Research 13(5)

      ページ: 205-228

  • [雑誌論文] Membrane transport of plant secondary metabolites.

    • 著者名/発表者名
      Shitan, N.
    • 雑誌名

      Plant Genetic Engineering Volume 9 (Ed. Pawan K. Jaiwal) (In press)

  • [雑誌論文] Accumulation and membrane transport of plant alkaloids.

    • 著者名/発表者名
      Shitan, N.
    • 雑誌名

      Curr. Pharm. Biotech. (In press)

  • [雑誌論文] 植物ABCタンパク質とオーキシン輸送

    • 著者名/発表者名
      矢崎一史
    • 雑誌名

      植物の生長調節 (印刷中)

  • [産業財産権] 植物の根部維管束の外層部でタンパク質を高発現するプロモーター2006

    • 発明者名
      矢崎 一史
    • 権利者名
      ニッタ(株)
    • 産業財産権番号
      特願2006-346488
    • 出願年月日
      2006-12-22

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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