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2005 年度 実績報告書

分泌ペプチドを介した細胞間シグナル伝達による細胞極性形成と分化調節の機構

研究課題

研究課題/領域番号 17027017
研究機関大阪大学

研究代表者

柿本 辰男  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70214260)

キーワード分泌ペプチド / TMM / 気孔 / 側方阻害
研究概要

多細胞植物の形態形成の必須条件の一つは細胞間コミュニケーションである。本申請では、特に細胞外分泌小ペプチド分子を介したシグナル伝達が、どのように細胞の軸と分化状態を制御するのかという問題に取り組む。その一つのモデルシステムとして、気孔パターニング機構を解明する。双子薬類の気孔は、隣接することなく均一に形成される。孔辺細胞は、メリステモイドと呼ばれる細胞に由来する。メリステモイドが不等分裂すると、小さな細胞はメリステモイド、大きな細胞は通常の表皮へと分化する。メリステモイドはまた、孔辺細胞母細胞を経て孔辺細胞へと分化する。私達は、これまでに、過剰発現すると気孔が形成されなくなる遺伝子としてgene20-9とgene20-10を見出している。これらの遺伝子は、小さな分泌ペプチドをコードしている。gene20-9は、メリステモイドと孔辺細胞母細胞で発現している。gene20-9の破壊株を観察したところ、気孔が隣接して形成していた。これらのことは、気孔系列細胞がgene20-9産物を分泌し、周辺細胞に阻害的に働き、隣接した位置に気孔を作ることを阻害していることを示している。また、gene20-9の過剰発現の効果には、気孔形成経路で働いている受容体TMMが必須であることを見出した。一方、シグナル分子のプロセッシングに関わっていると考えられてきたSDD1は、gene20-9の働きには必要ないことがわかった。
gene20-9と、これに似た遺伝子gene20-10の過剰発現の効果は同じであるが、遺伝子破壊株の解析から、gene20-10は、メリステモイド母細胞の数の調節に抑制的に働いているらしいことがわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Cytokinin signaling and its inhibitor AHP6 regulate cell fate during vascular development.2006

    • 著者名/発表者名
      Mahonen A, Bishopp Aら
    • 雑誌名

      Science 311

      ページ: 94-98

  • [産業財産権] 植物の気孔調節因子2006

    • 発明者名
      柿本 辰男, 原 健太, 梶田 良子
    • 権利者名
      大阪大学
    • 産業財産権番号
      特願2006-016936
    • 出願年月日
      2006-01-25

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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