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2005 年度 実績報告書

高等植物の側根形成機構に関する分子遺伝学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 17027019
研究機関奈良先端科学技術大学院大学

研究代表者

深城 英弘  奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (80324979)

キーワード側根形成 / オーキシン / シロイヌナズナ / 分子遺伝学 / 突然変異体 / 転写制御
研究概要

高等植物における側根形成の分子機構を明らかにすることを目的として以下の研究を行った。
1、側根形成開始で機能するオーキシン応答転写調節因子ARF7、ARF19およびAux/IAAタンク質
SLR/IAA14によって制御される下流因子の探索と解析
側根形成能が顕著に低下するシロイヌナズナarf7 arf19二重変異体の表現型を過剰発現によって回復させる遺伝子として、LBD16/ASL18とLBD29/ASL16(LOB/AS2ドメインタンパク質をコード)を同定し、これらが根の内鞘を含む組織で発現することを示した。次に、arf7 arf19二重変異体においてARF7-GR(Glucocorticoid Receptor)またはARF19-GR融合タンパク質を発現する形質転換体を作出し、Dex依存的に側根形成能が回復する植物系統を確立した。そして、この誘導系植物においてLBD16/ASL18とLBD29/ASL16の転写がタンパク質合成阻害剤存在下でもDex依存的に誘導されること、およびARF7がLBD29/ASL16遺伝子プロモーターに結合することを確認した。以上の結果から、LBD16/ASL18とLBD29/ASL16がARF7やARF19の直接の標的遺伝子として側根形成開始に機能することが強く示唆された。
2、側根形成を負に制御するクロマチンリモデリング因子PKL/SSL2の解析
slr変異体の側根欠失表現型を抑圧するサプレッサー変異体ssl2の原因遺伝子PICKLE(PKL)が動物のクロマチンリモデリング因子Mi-2相同タンパク質をコードすることに基づき以下の結果を得た。動物のMi-2はHDAC(ヒストン脱アセチル化酵素)と複合体を形成し標的遺伝子の転写抑制に働く。そこで、slrをHDAC阻害剤のTSA(trichostatin A)で処理したところ、slrの側根欠失表現型が部分的に回復することがわかった。また多重変異体解析から、ssl2 slrやTSA処理したslrで起こる側根形成がARF7/ARF19の機能に依存することを見出した。これらの結果から、PKLとHDAC活性を介したクロマチンリモデリングが、slr変異体におけるARF7/ARF19の下流遺伝子の転写抑制に関わることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] Caged gene-inducer spatially and temporally controls gene expression and plant development in transgenic Arabidopsis plant2006

    • 著者名/発表者名
      Hayashi, K.
    • 雑誌名

      Bioorg. Med. Chem. Lett. (印刷中)

  • [雑誌論文] オーキシン極性輸送と植物の形づくり2006

    • 著者名/発表者名
      深城 英弘
    • 雑誌名

      プラントミメティックス-植物に学ぶ-(エヌティーエス出版) (印刷中)

  • [雑誌論文] Tissue-specific expression of stabilized SOLITARY-ROOT/IAA14 alters lateral root development in Arabidopsis2005

    • 著者名/発表者名
      Fukaki, H.
    • 雑誌名

      The Plant Journal 44

      ページ: 382-395

  • [雑誌論文] Cell cycle progression in the pericycle is not sufficient for SOLITARY-ROOT/IAA14-mediated lateral root initiation in Arabidopsis thaliana.2005

    • 著者名/発表者名
      Vanneste, S.
    • 雑誌名

      Plant Cell 17

      ページ: 3035-3050

  • [雑誌論文] Regulation of lateral root formation by auxin signaling in Arabidopsis2005

    • 著者名/発表者名
      Fukaki, H.
    • 雑誌名

      Plant Biotechnology 22

      ページ: 393-399

  • [雑誌論文] Shoot circumnutation and winding movements require gravisensing cells.2005

    • 著者名/発表者名
      Kitazawa, D.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA 102

      ページ: 18742-18747

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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