研究課題
1.イネin vitro受精系の確立:前年度に引き続きイネin vitro受精系の確立に取り組み、イネ受精卵の球状胚への培養に成功した。このin vitro受精卵の発生過程は、形態的に胚嚢内における受精卵発生様式とほぼ同様に進行した。このことから、イネin vitro受精法で作出された受精卵の発生様式は、少なくとも受精卵から球状胚への発生過程では、植物体内における胚発生の特性を反映していると考えられる。2.受精卵第一分裂機構の解析:受精卵の第一分裂過程の連続観察系の確立、および、受精点と第一分裂面の位置関係解明のために研究を進めた。その結果、イネ受精卵の第一分裂過程の連続観察に成功し、受精卵におけるオルガネラの再構成過程が観察可能となった。3.イネ幼葉鞘先端で特異的に発現する遺伝子の同定:イネ幼葉鞘先端においてIAAの生合成が行われていることから、幼葉鞘先端部および基部を材料にマイクロアレイ解析を行った。その結果、発現レベルが先端で10倍以上高い遺伝子が8個、5-10倍増加する遺伝子が18個同定された。4.DR5::GUS(GFP)導入イネおよびトウモロコシを用いたIAA分布の観察:DR5::GUS導入イネの黄化芽生えにおけるGUS染色パターンを詳細に観察したところ、根の先端および基部付近で強いGUSシグナルが観察されたが、幼葉鞘先端におけるGUSシグナルは観察さなかった。また、トウモロコシへのDR5::GUS、DR5::GFP遺伝子導入を行い、形質転換トウモロコシ(各12ライン)を作製したが、導入遺伝子の発現は認められていない。5.免疫的手法を用いたIAA合成細胞群の特定:抗IAA飴抗体および抗AtPIN抗体を用いてトウモロコシ幼葉鞘先端を免疫組織化学的に解析した。その結果、先端1mm付近にIAAと推定される強いシグナルが、また下部では維管束に沿った細胞の下側にIAAシグナルが観察され、PINタンパク質の分布もこのようなIAAの分布と同じ位置に観察されている。
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