研究課題/領域番号 |
17027029
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
和田 拓治 独立行政法人理化学研究所, 機能発現研究チーム, チームリーダー (50360673)
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研究分担者 |
冨永 るみ 独立行政法人理化学研究所, 機能発現研究チーム, 研究員 (20373334)
石田 哲也 独立行政法人理化学研究所, 機能発現研究チーム, 研究員 (60360492)
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キーワード | セルソーター / GFP / 表皮細胞 / シロイヌナズナ / bHLH遺伝子 |
研究概要 |
本年度の研究実績としては以下の2点が挙げられる。 (1)本実験で使用するサンプルはシロイヌナズナの表皮細胞で発現しているbHLH遺伝子であるGL3、EGL3、AtMYC1の各プロモーターの下流に、GFPタンパク質を発現するように設計されたシロイヌナズナ形質転換体である。GFPには小胞体に局在するシグナルタンパク質を上流に付けてある。安定した結果が必要となるため、各形質転換体ラインのホモ系統の作出を行い、各ラインを確立できた。これら3遺伝子は表皮細胞での発現の時期が違うので、来年度、表皮細胞の時期による性質をセルソーター使い解析する予定である。 (2)(1)の実験サンプルが得られるまでの間、セルソーターを用いた細胞の選別を遂行するために幾つかの予備実験を行った。まず、非根毛細胞の核にGFPの局在を見せるシロイヌナズナETC1::ETC1:GFP形質転換体を用いて、セルリシン、ペクトリアーゼを用いたプロトプラスト化処理を施した結果、GFP蛍光を発する表皮細胞のプロトプラストを得られた。得られたプロトプラストでセルソーターMoFlo(Dako japan)を使用した選別実験の条件検討を行った。その結果GFP蛍光を発している細胞とそうでない細胞の蛍光強度を判別してソーティングを行うことができた。ソーティングした細胞はRNA抽出キット(QIAgen)を使用してRNAを抽出し、RT-PCR法によるGFP遺伝子の発現の有無でソーティング効率を検討した。その結果、非GFP細胞群からもGFPシグナルが検出された。この結果は非常に弱いGFP蛍光を発するプロトプラストも混入していたことが原因と考えられる。ソーティング後のサンプル解析に関しては、選別の成功を確認するための発現遺伝子を吟味する必要があり、また抽出される少量のRNAを解析するための新しい手法や実験キットの導入によって改善が期待される。
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