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2005 年度 実績報告書

精子受容体タンパク質の一生

研究課題

研究課題/領域番号 17028024
研究機関名古屋大学

研究代表者

澤田 均  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60158946)

研究分担者 原田 淑人  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50362223)
キーワード受精 / ホヤ / グリコシレーション / プロテアソーム / EGF / 精子 / プロテアーゼ / ユビキチン
研究概要

原索動物マボヤは雌雄同体で精子と卵を同時に放出するが自家受精は起こらず,厳格なアロ認識機構があることが知られている.我々は,12回のEGF様反復配列からなる卵黄膜タンパク質(HrVC70)が,個体レベルでの分子多型を示し,マボヤの受精において自己非自己識別能を有する精子受容体として機能することを報告している.本研究では,この変異が正のダーウィン選択圧を受けていることを最尤法解析により明らかにした.また,糖鎖修飾に関しても解析を行った.HrVC70には5カ所のフコシル化部位が存在するが,実際にフコース修飾されているか否かをTOF/MS分析により調べた.その結果,置換の多いサイトには糖鎖修飾が見られるが,変異の少ない第10ドメインでは糖鎖修飾は観察されなかった.アロ認識に糖鎖が関わる可能性も考えられる.次に,マボヤと同属のアカボヤからVC70ホモログを探索することを企画し,そのcDNAクローニングと構造解析を行った.アカボヤホモログ(HaVC80)は分子量80Kで,HrVC70の8番目のEGFが重複した13回のEGFドメインにより構成されることが判明した.この分子は130kの前駆体タンパク質として生合成され,C末端が切断されて成熟型分子になる.HrVC70とHaVC80の基本構造は酷似ており,アミノ酸置換領域も似ていた.この分子は精子レセプターなので,ドメイン重複が起こると精子-卵相互作用に影響が及び,種分化につながる可能性がある.今回の解析により,VC70/80分子は種分化や進化に関与する可能性が示された.次に,タンパク質の死としての分解機構についても検討を行った.マボヤ精子からユビキチン化酵素を精製するのは困難であったが,カタユウレイボヤのゲノム構造をもとにした遺伝子モデルから探索を行った.そして,2つのE3候補分子を同定することに成功した.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Highly polymorphic vitelline-coat protein HaVC80 from the ascidian, Halocynthia aurantium : Structural analysis and involvement in self/nonself recognition during fertilization.2005

    • 著者名/発表者名
      Ban S., Harada Y., Yokosawa, H., Sawada, H.
    • 雑誌名

      Developmental Biology 286-2

      ページ: 440-451

  • [雑誌論文] Sever cell tragmenttion in the endotherial cell apoptosis induced by snake apoptosis toxin VAP1 is an apoptotic characteristic controlled by caspases.2005

    • 著者名/発表者名
      Maruyama, J., Hayashi, H., Miao, J., Sawada, H., Araki, S.
    • 雑誌名

      Toxicon 46-1

      ページ: 1-6

  • [図書] New Impact on Protein Moditications in the Regulation of Reproductive System2005

    • 著者名/発表者名
      Sawada, H., Akasaka, M., Yokota, N., Sakai, N.
    • 総ページ数
      167
    • 出版者
      Research Signpost, Kerala, India

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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