• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

カルシウムシグナルによるタンパク質の産生・輸送・分解の制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 17028036
研究機関神戸大学

研究代表者

久野 高義  神戸大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50144564)

研究分担者 春藤 久人  神戸大学, 総合リハビリテーション学部, 教授 (70206259)
キーワードカルシウム / カルシニューリン / 免役抑制薬 / バルプロ酸 / 細胞内輸送 / GTP結合タンパク質 / Rab / リン脂質
研究概要

1.カルシニューリン活性のリアルタイムモニタリング:カルシニューリンは細胞内Ca^<2+>により活性化されるタンパク質脱リン酸化酵素で,酵母からヒトにまで保存されたカルシウムシグナル系の中心的分子であり,臓器移植時に用いられる免疫抑制薬の分子標的である。本研究では,生細胞におけるカルシニューリン活性をリアルタイムにモニターするシステムを確立し,分裂酵母には細胞壁の異常を感知するMAPキナーゼに依存した経路と細胞外Ca^<2+>を感知するMAPキナーゼに依存しない経路の2っが存在することを発見した。
2.バルプロ酸(VPA)の細胞内輸送に対する影響:VPAは抗てんかん薬として良く知られており,最近はがん化学療法の奏功性をあげることが報告されているが,そのメカニズムたついては不明である。VPA感受性を示す変異体を単離し,その原因遺伝子を決定したところ細胞内輸送で重要な働きをするVps45をコードする遺伝子だった。さらに,治療濃度に相当する低濃度のVPAが分泌などの細胞内輸送に影響を与えることを発見した。分裂酵母ではVPAを投与すると細胞内輸送が抑制されることで細胞壁に異常を来たし,上記1で述べたMAPキナーゼを介する経路によりCa^<2+>/カルシニューリン系が活性化されることも示した。
3.細胞内輸送で重要な働きを担うRab GDI (GDP dissociation inhibitor)の活性のリン脂質による制御:免疫抑制薬(カルシニューリン阻害薬)感受性と高温感受性を同時に示す分裂酵母変異体を単離し,その遺伝子を決定したところ細胞内輸送で重要な役割を果たすRab GDIをコードしていた。さらに,本変異体の高温感受性を相補する遺伝子としてリン脂質輸送体をコードする遺伝子を単離した。さらに,Rab GDIの活性がリン脂質により制御されていることを明らかにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (4件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Valproic Acid Affects Membrane Trafficking and Cell Wall Integrity in Fission Yeast2007

    • 著者名/発表者名
      宮武 信
    • 雑誌名

      GENETICS (未定)

  • [雑誌論文] Rho2 is a Target of the Farnesyltransferase Cpp1 and Acts Upstream of Pmk1 MAP Kinase Signaling in Fission Yeast2006

    • 著者名/発表者名
      馬 艶
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell 17・12

      ページ: 5028-5037

  • [雑誌論文] Genetic Evidence for Phospholipid-Mediated Regulation of the Rab GDP-Dissociation Inhibitor in Fission Yeast2006

    • 著者名/発表者名
      馬 艶
    • 雑誌名

      GENETICS 174・3

      ページ: 1259-1271

  • [雑誌論文] Real-Time Monitoring of Calcineurin Activity in Living Cells : Evidence for Two Distinct Ca^<2+> -Dependent Pathways in Fission Yeast2006

    • 著者名/発表者名
      Deng Lu
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell 17・11

      ページ: 4790-4800

  • [図書] Source Book of Models for Biomedical Research2007

    • 著者名/発表者名
      石渡俊二
    • 出版者
      THE HUMANA PRESS INC(未定)

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi